安心・安全な範囲 | 林知之


安心・安全──最近よく使われる言葉です。
不安が多く、その要因を“避けよう”という発想が強いようです。
株式投資では、「損する不安」が行動をギクシャクさせますよね。
しかし、自らの手で「環境を整える」ことも可能です。
例えば、「頑張って資金を用意したら500万円」とします。
でも、頑張ってつくった状況だと、少しのブレで苦しくなります。
だったら、まず「背伸びせずに400万円」と考え、さらに、「200万円だったら、ゼロになっても再スタート可能」と進めると、どうでしょうか。
気持ちがラクになり、感じたとおり、思うままに行動できる“安心・安全”な売買環境が生まれます。
不安を抱えていると、外部の情報に頼りたくなります。
そして、つい市況解説などに目を通します。
すると、私たちプレーヤーが使うべきでない独特の言葉に慣れ、その言葉に安心を感じてしまうのが人間の心理です。
例えば「様子見」は、市況解説で使われる“観客目線”の言葉ですが、よく目にするので「客観的な分析で自分にも有益」と感じます。
その結果、ポジションが膨らんで少し逆向き、不安いっぱいなのに「様子見だ」とつぶやいて先送りしてしまう……“相場あるある”です。
「安心・安全」は、自分の工夫でつくってください。
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