プロを含めて誰もが影響を受けているはずですが、株を「買うこと」「どの銘柄が有望か」という情報に傾いているのが、相場の世界の構造だと思います。
カラ売り可能な信用取引の制度があり、ひとつの手法として認知されていても、実行する人はほんの一握りです。
それに、下げ相場は陰湿で、感情が高ぶりません。
自然と、「どの銘柄が上がるか」という観点に目が向きます。
情報を発信する業者も、それに応えます。
どんなときでも、「これが買いでしょう」と言います。
だから、買い偏重と銘柄指向がさらに強まります。
銘柄情報が売れる……というよりも、銘柄情報でないと売れないのです。
“ディフェンシブ銘柄”なんて言葉があります。
例えば、生活必需品や社会インフラに関連する事業は、景気の動向に影響されにくいということで、ダメダメな相場のなかで「持つならこれ!」と注目されます。
しかし、なにか持たなければならない機関投資家と、私たち個人投資家は全くちがいます。
カラ売りをしないまでも、ムリに参加せずに手控える、買いポジションをゼロ、またはゼロに近づけるという選択肢が与えられています。
林投資研究所が選ぶ銘柄は、「FAI投資法」によるもので、低位株の買い戦略です。
バブルの高値から10年超、銘柄を選ばなかったのは正解でしたが、いささか極端な例。
でも、例えば現在も、新規の銘柄をほとんど選んでいません。
「これからお宝探し」と言いながらも、「今は積極的にやらないほうがいい」とアナウンスしています。
銘柄がない──貴重な情報だと思っても、「売れる情報」ではありません。
でも、姿勢を変えるつもりはありません。
さて、林投資研究所のこだわりとか、
現在の市況判断などは別としても・・・
「ポジションをゼロにして休む」とか、「なにもせずに本を読んで研究する」といった期間があってもいいはずです。
個人投資家の特権であり、最大の武器です。