現在「予約受付中」の新刊です。
とてもかるいノリのタイトルですが、中身は地味で丁寧、林投資研究所が30年以上も続けている低位株投資の手法「FAI投資法」の教科書として、実践的な説明を全力で盛り込みました。
本日は4章「実績」から、選定後に大化けした東海カーボン(5301)の解説をお届けします。
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選定時のチャートと解説
(2015年5月 349円で買い選定)
非常に振幅が大きく、極端に“荒い”と感じてしまうほどです。
高値は、2007年10月の1,485円です。実際の売買は難しいのかもしれませんが、やってみないとわかりませんし、値幅が大きくコンスタントに動く点は魅力的です。
高値から一気に下げ、Aで安値圏に到達しています。約3年半後のBは、Aの安値をカンタンに下回っていますが、下げ止まった時点で「価格の整理が進んだ」と認識できます。ルール通りの6連続陰線ではありませんが、同じように見るわけです。
連続陰線というのは、なんとも暗いイメージを抱かせます。しかしその評価は、「買いポジションを持っている」場合に限られ、なんとなく買ったまま上がってほしいと“願っている状態”が前提です。
ルールの6連続陰線は「整理が進んだので今後が楽しみ」という前向きな見方で、上昇してもいないのに「強い」と表現するのが、実践者としての正しい感覚なのです。
Bの約2年後のCでは、短期間ですが、さすがに小動きになっています。全体としては、「落差が大きい割には日柄不足」との意見もありそうですが、Dの上げを上昇の兆しとみて買い選定しました。
実際の選定作業においては、ファンダメンタルが安定していることや、同業の日本カーボンが大きく上伸したことも後押し材料でしたが、Eのような傾向線を上に抜けたので上昇の第一歩、という見方で買い選定したわけです。
選定後のチャートと解説
(2017年7月19日 倍化達成)
「兆しが出た」と判断して買い銘柄に選定しましたが、実際に上げ始めるまでには約1年半もかかりました。これが、低位株投資の難しい部分です。
だから、投資の効率を高め、かつ、過度の精神的な負担を軽減するために、株数に差をつけない多銘柄への分散を積極的に行うのです。
選定後、スッと上に抜けてきたように思えました(1)。しかし、直後に連続陰線でガクンと下げました(2)。再び上昇しても保合の中で、また連続陰線をみせます(3)。
このように、結局は大局的な底練りが続く中、崩れるようにして、再び200円台前半を見にいきました。4の安値は236円、2012年の安値231円(前ページB)とわずか5円差です。「チャートのタテ軸だけで見ない」という原則があるものの、実際に下げているのだから「ダメだなぁ」と感じる以外にありません。こうして、2、3、4と下値を切り下げていったのですが、結果的には最後の整理としての下げで、4の安値が大きな2番底となったのです。
あとから見れば、「落差が大きい割には日柄不足」という懸念が当たっていたわけですが、のんびりしている間に上がってしまい、絶好の買い場を逃すケースだってあるのです。
さて、5で様変わりして大きな上昇へと向かったのですが、月足で押したのは短期間だったので、決断して乗ることができたか、どこまでねばることができたか、というほど見事な上げっぷりです。
(新刊『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』4章「実績」より)
林 知之 著
A5判並製/208ページ
1,600円+税(1,728円)
発行:マイルストーンズ/発売:丸善出版
- 序章 概要
過半数を億トレーダーに導いた化け物 - 1章 基本
月足観測をもとにした現物投資の王道 - 2章 規定
実践者の感覚を重視した29のルール - 3章 実践
初心者でもマネできるバスケット投資術 - 4章 実績
低位株選別投資の実力を徹底検証