現在「予約受付中」の新刊です。
とてもかるいノリのタイトルですが、中身は地味で丁寧、林投資研究所が30年以上も続けている低位株投資の手法「FAI投資法」の教科書として、実践的な説明を全力で盛り込みました。
本日は3章から抜粋した内容、「相場の確率」ほかを公開します。
↓ ↓ ↓ ↓
実践の段階
FAIの銘柄選びと相場の道具の目的は、これまでに述べた通りだ。次は、実践の具体的順序を示そう。
◎段階1 買い銘柄の場帳をつけ、実際に少しだけ売買を行う
◎段階2 買い銘柄の月足をそろえる
◎段階3 注意銘柄の月足をそろえる
「安値を拾う」だけで利益を上げられるのがFAI投資法の前提だから、極端にいえば場帳だけで実践は可能である。
とにかく、実際に売買することで、FAI投資法が実感できる。
そして、注意銘柄、買い銘柄の月足を見比べ、慣れることで、次の段階への準備ができる。
◎段階4 ほかの銘柄の月足をそろえる
「そろえる」といっても、少しずつでよく、毎月の描き足しが重荷にならない範囲でよい。
多くの銘柄の月足を見ることで、FAI銘柄の選定基準をより深く理解できるようになる。
とくに低位株の底型、底から上昇トレンドへの転換が重要なので、『底型・天井型111例』(林投資研究所発行)を活用するなどして、多くの底型を見ることが有効である。
◎段階5 データスリップを使う
FAI投資法という売買法を、実際に売買して理解したうえではじめて、データスリップを併用した「銘柄選び」の目を養う段階に至る。安易にファンダメンタル情報を用いると、断片的・断面的な判断になるので注意が必要だ。
1期だけを見て「業績が伸びた」「買いだ」なんていう、安っぽい行動を真っ向から否定するのが、FAIのような“完成された手法”で投資を行う者の姿勢なのだ。
実際に売買する銘柄をどう選ぶか
買い選定した銘柄に優劣をつけることはできないが、同時に保有する銘柄数の上限は24だから、何らかの基準で銘柄を選別しなければならない。売買実践のための、個人的な銘柄選びだ。
場帳を見ながらタイミングを計れば、保有する期間にズレが出る。意識しなくても、慣れてくれば「自然な好み」が生まれる。
あまり考えずに、少しずつやっているうちに、自分の売買の型ができる。「当てよう」「優劣をつけよう」「早く上がる銘柄を逃がしたくない」と不自然な意識をつくらないことが大切だ。
「早い銘柄を選ぶ」のは正しいが、慣れないうちに躍起になれば、必ず空回りする。学ぶ姿勢が崩れてしまうことに注意したい。
練習売買
どんな売買法でもそうだが、売買を実行して理解し、自分の型をつくっていく作業が必要である。最初は稼働資金を少なくし、練習をすることである。
例えば、売買資金を1,000万円用意した場合、400円の銘柄を1,000株ずつ20銘柄保有して稼働率80%という計算が立つが、練習の段階ではグッと抑えなければいけない。慣れないうちに目いっぱい動かすと、必ず混乱するからだ。日常、私のところに質問を寄せる人のほとんどが、いきなり多額の資金を動かして失敗しているパターンだ。
「練習」がイヤなら、「お試し」「実験」などど言い換えればよい。新しいことを学ぶ段階を考え、少量の売買から始めるのである。
500万円の資金を証券会社に預けて、500円の株を100株ずつ20銘柄程度なら、資金の2割程度を稼働させるだけだ。割りきった設定の中、利益率や資金効率などを意識せず、素直な気持ちで場帳を見て売買するのが練習の狙いなのだ。
(新刊『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』3章「実践」より)
林 知之 著
A5判並製/208ページ
1,600円+税(1,728円)
発行:マイルストーンズ/発売:丸善出版
- 序章 概要
過半数を億トレーダーに導いた化け物 - 1章 基本
月足観測をもとにした現物投資の王道 - 2章 規定
実践者の感覚を重視した29のルール - 3章 実践
初心者でもマネできるバスケット投資術 - 4章 実績
低位株選別投資の実力を徹底検証