現在「予約受付中」の新刊です。
とてもかるいノリのタイトルですが、中身は地味で丁寧、林投資研究所が30年以上も続けている低位株投資の手法「FAI投資法」の教科書として、実践的な説明を全力で盛り込みました。
本日は、第1章から抜粋した内容を、このブログで公開します。
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低位株投資の有利さ
FAI投資法は「低位株」から大きく上伸する銘柄を発掘し、じっくりと上昇を狙う売買法である。
低位株とは、もともと価格帯でいうと400円よりも下にある銘柄であり(※)、上昇するときのパフォーマンスが非常によい。しかし、それなりの理由(悪材料、不人気材料)があって低位に甘んじているわけで、やみくもに投資すれば、長期にわたる安値低迷の不安、最悪は倒産の恐怖まである。
対象銘柄は、世間で注目されていない地味な銘柄である(だから低位にいる)。これら数多くの銘柄について資料を用意するのはかなりの労力で、低位株投資を根気よく続けるのはやさしいことではない。
しかし、低位株投資には数々の欠点を上回る魅力がある。前述した「投資効率(パフォーマンス)のよさ」と「下値不安が少ない」ことである。低位株は“下げきった”銘柄であり、株価は会社の実質的価値(解散価値)に近い。ソニーやトヨタなど日本を代表する優良銘柄とちがって大衆の人気がついていないのである。それだけに、ひとたび上昇に向かうと、大きく上がっていくのだ。
実際、FAIクラブ発足以来、選んだ銘柄はほぼ、選定時の2倍という目標を達成している。倒産銘柄を選定することもなかった。
発足後すぐにバブルの時期を迎えたことは幸運だったが、バブル真っ盛りの88年に買い銘柄の選定をストップし、90年からの下げを見事に予見したことで、銘柄選定ノウハウの確かさを証明した。
※低位株の基準の変更について
上場株の売買数量が100株に統一される中、多くの企業が株式併合を行って価格帯が大幅に上昇したため、FAIクラブの基準を変更した。
(詳しくは、148ページ「20.低位株の新基準」を参照)
月足チャートの重要性
次の章で詳しく解説する29項目のルールは、完全に数式化されたものではない。したがって、ルールを理解し、かつFAI投資法に慣れた複数の投資家が議論することが、独善的でない銘柄選びに欠かせない作業となる。FAIクラブのミーティング(銘柄選定委員会)は毎月開催しているが、過去に選んだ銘柄が独善性を排除した客観的なものであることを証明している。
「下げきっていて、大きく上昇しそうな銘柄」を探して選ぶ。このためには、長期の月足の型(姿)を重要視する。
月足の姿を見るには慣れが必要だ。FAIクラブでは、東証一部に上場する企業から銀行・ガス・電力を除いた全銘柄を対象とするが、実際に低位にあるものは、おおよそ3分の1である(※)。
月足チャートを整備して毎月描き足す労力はバカにならない。
こういった地味な作業の積み重ねがチャートへの慣れにつながり、実践に不可欠な“変動感覚”を養うことになる。いわゆる「下げきった」とか「下げ止まった」感じを、からだで覚えていくわけだ。
※対象銘柄
バブルの天井近くでは、「1,000円未満の銘柄が消える」といわれていた。実際、ほんとうにそうなりそうだと感じるほどの大相場であった。このような数十年に一度の上昇相場は例外であり、通常は下落していく銘柄と上昇していく銘柄がほぼ同じ数で、FAIの対象とする低位株は市場の3分の1を維持すると考えられる。
(新刊『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』1章「基本」より)
林 知之 著
A5判並製/208ページ
1,600円+税(1,728円)
発行:マイルストーンズ/発売:丸善出版
- 序章 概要
過半数を億トレーダーに導いた化け物 - 1章 基本
月足観測をもとにした現物投資の王道 - 2章 規定
実践者の感覚を重視した29のルール - 3章 実践
初心者でもマネできるバスケット投資術 - 4章 実績
低位株選別投資の実力を徹底検証