自由なワクワク感 | 林知之


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幼いころレゴで遊びましたが、シンプルなパーツだけでイメージを形にするのが楽しくて、出来合いのさまざまなパーツが出現したら一気にさめました。
今でも空想と妄想の日々、自由に行動できる相場の世界が大好きです。

相場は、大切なカネにかかわることなので、投資家にはまずストイックな提案をするのですが、私も昭和の相場業界で育った人間ですから、自らは近寄らないものの、市場で飛び交う怪しげな情報とか、個別銘柄が動意づいたところで「オレがストップ高をつけてやる!」なんてノリが大好きです。

それが人間、それがマーケットの純粋な部分だと思うからです。

勝つためのガチガチな思考、ストイックな行動指針、大負けを避ける所帯バクチといった「枠組み」を提唱していますが、その枠組みの中にあるのは完全に自由な行動、「カネがほしいよね」という正直な気持ち、適度な“遊び”を交えたワクワク感満載の行動であるべきです。

今日、買いポジションを大幅に減らしました。
ひとつの口座の持ち株を、久しぶりにマル(ゼロ)にしたのです。
「天井?」と聞かれましたが、それがわかっていたら、南の島で美女100人に囲まれて王様のように暮らしています(笑)。

たぶん、枠の中にいながら、その中で自由に行動するうえでの“ワクワク感”がふと減少したからだと、自分では定義しています。

いま仕事が忙しいからポジションを減らして正解、個別株が伸び悩んでいると感じるから……オトナとしていろいろな理屈をあとづけしつつ、「近いうちに下げに向かったら、安く買い直しができる」といった計算があったりします。一方、「あそこで売った、さすが!」と言われたいという俗人の発想もあり、そんな自分を観察して楽しんでいます。

まあ、予測なんて当たらないもので、そのあたりのギャップこそが相場の魅力なんですね。

「選挙はどうなるの?」「米国の金利政策は……」「外国人投資家の動向は?」と多くの情報がスピーディーに飛び交うのが近ごろの傾向ですが、“不安”をあおろうとするものばかりで、ちっともワクワクしません。

説明不能かつ激しい値動きがマーケットの必然。
「これ儲かるんじゃね?」というバカっぽいアイデアを受け入れ、それをカチッとした戦略に落とし込むのが相場の王道、そのプロセスまでも楽しむのが自然なワクワクだと思います。

受け売りの理屈は、すべてを不自由にするから嫌いです。

明日の価格さえ、誰にもわからないのが大前提。
自分勝手な理屈、とことん偏った理論にこそ勝機があるのです。
そこにワクワク感をドサッと積み、とことん突き詰めたものが「手法」です。

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