ミスの精度を上げる | 林知之


人生、死ぬこと以外はかすり傷……落ち込んだときに思い出したい言葉です。
でも、本当のかすり傷にとどめておきたいですよね。

個別銘柄は、常に何かしら大きく動いています。
半年や1年で、3割上昇、5割上昇、2倍、3倍……特に珍しいことではありません。

資金の移動がグローバル化し、世界中のニュースが“投資関連情報”としてどんどん紹介されるようになったせいか、不安を感じて短期張りを行う傾向が強くなっていると感じます。

でも、株の変動サイクルは、多くの人が考えている以上に長いものです。

だから、5年、10年という波動に目を向けた低位株投資の「FAI投資法」を実践し続ける人が多いのです。実際の売り買いは適度な期間で行う、しかし基本的に目を向けるのは長期波動……意外とバランスが取りやすいのだと思います。

時間軸を短くしすぎていないか──。
どんな手法でも、こんな観点で自分の売買を見直してみる機会が重要です。
ぜひ、お試しください。

予測が当たったときは、その当たった予測を“育てる”べく、時間をかけて利を伸ばすよう努めます。「損小利大」の後半である「利大」の実践です。
値幅取りというのは、まさに相場の醍醐味です。

しかし、まずは前半の「損小」を考えるべきです。

見込み違いだと感じながら対処を先送りすると、損失が膨らみます。
大きな損に、たっぷりと時間をかけてしまうのです。

現実には見極めが難しいわけですが、「まずいな……」と感じたのに放置して「やっぱり」ということが、誰にでもあるでしょう。
そんなムダを減らせば、「利大」のチャンスに乗る可能性が高まりますし、損失を抑えることもできて一挙両得です。

予測の的中率を大幅に向上させるなんて現実的ではありませんが、見込み違いの対応が適切ならば、「ミスの精度を上げる」ことができます。
それが「利大」の機会を増やす、言い換えれば「ヒットの精度をより高める」ことになるのです。


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