何にこだわるか | 林知之


本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。

多くのコンビニが採用するレジ待ちの「フォーク並び」。私は、列の先頭になったら必ず、複数あるレジをキッチリ見張るのがマナー、自分も時間をムダにしたくないと考えます。しかし、同様にムダのない行動を心がけながらも、ほかの人がモタモタするのを気にする人と、自分の行動が美しいかどうかだけを考える人に分かれるようです。こだわりのポイントは、人によって大きく異なります。

終値を「場帳」に記載することで一瞬だけ、いろいろな雑音を消し去った状態で値動きを見ることができる──これが、多くの人に効用を説く最大の理由です。
玉帳」に売買を記録し、売買への意識を適正に保つとともに、第三者の目で振り返る時間をつくる──これも、重要な作業だと確信しています。

しかし、そんな基本的な作業の中、「どこにこだわってポジションを動かすか」は十人十色、百人百様、何を大切にするかが最大の課題です。

例えば、安値を丁寧に拾う人もいれば、動意づいてからの乗せを得意とする人もいます。同じ手法なのに売買タイミングが全く違う、へたをすると売り買いが逆になる場面もあるくらい、違って当たり前、ズレがあって当然です。

誰にも明日の株価はわからない、予測が当たらないという単純な理由からです。

でも、つい当てたくて、どこかにころがっていそうな「正解」を知りたくて、予測情報が中心の株式講演会に足を運ぶ人も多いのですが、私には、相場のこだわりを捨てているように感じられます。

おでんをツンツンした男は、その行為と動画の公開にこだわっていたのでしょうが、こだわりかどうかなんて議論の前に、社会的に認められない不法行為です。
でも、相場では、かなりキテレツな行動でも、個人のこだわりとして成立する、連続するポジション操作で利益になり得るので、ヘンな“正解探し”よりも、感じたままにやってみて結果を振り返るのが本当の正解だと思います。

英国のEU離脱、米大統領選の結果と相場への影響など、ずいぶんとアカデミックな論理、知的と思える予測がありましたが、おおかたが外れでした。予測を述べる過程や、情報としての仕上がりが、こだわりポイントだったのでしょうか。

業界内に、「オレはトランプ当選を当てた」と声高に主張する人がいます。すごいなと思いますが、それで儲かったかどうかは不明ですし、こだわりのポイントもわかりません。

当たり外れも切実なれど、頑張っても精度はたいして上がりませんから、予測と行動パターンの関係、行動のあり方にこだわるのが、相場技術論者のこだわりで、それを必死に説明するのが私のこだわりです。

プレーヤーとしての立ち位置は、一般的な情報を否定するでもなく、聞かないように努めるでもなく、スルッと“離脱”した場所にいる、そして、自分の内面の出来事に集中する──このような感覚と説明するのが正確なのでしょう。


new_chgdvd
chg_dvd
研究部会報
 林投資研究所で40年以上続いている、プレーヤーのための定期刊行物。

中源線建玉法
 最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

chg-seminar
林投資研究所
 林投資研究所の公式Webサイト。
 まずは資料請求(無料)してください。電話等での勧誘はいたしません。

研究部会報および中源線シグナル配信は、当局に届出の投資助言サービスです。契約にあたっては「契約締結前の書面」をよくお読みください。

ブログ一覧に戻る