情報は加工されている | 林知之


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タレントが、訪問先の家庭で料理を食べる番組があります。
「いやあ、これ、おいしいですね~」と満面の笑みでコメントするのですが、中には「マズっ」「これツラいわぁ」って食べ物もあるでしょうね。
でも、それでは番組になりません。

私自身の経験で、ラジオ番組に出演した時、行間に込めた本気のメッセージは「銘柄情報なんて考えるな」だったのに、投資家だけを対象としたチャンネルだったため、「最後に銘柄を挙げる」ことが絶対の依頼でした……。

多くの投資関連情報において、有望銘柄を挙げて夢を語るのはOK、未来を見てきたかのように講釈するのが望ましいかわりに、下げ狙いなんてタブーです。
下げ相場は“宴の終焉”、そんな現実的な話題を好むのは限られた人だけ、不特定多数の人をワクワクさせる情報が「商売になる」からです。

大切なカネのことだから……と考えるあまり、「真実だけが発信される」と期待するのは間違いです。多数の投資家にウケる情報、スポンサー企業が望む情報に偏ると認識すべきです。

手前ミソですが、インターネット放送の「マーケット・スクランブル」は、私たち自身で運営しているので、つまらない力が働きません。番組内容も、好きなように決めることができます。実に快適です。

「情報の加工」は、他人の手によるものだけではありません。
例えば株価変動は単なる数字ですが、受け止めた瞬間から自分自身の手で評価を加えます。「昨日よりも10円上がったぞ。では明日も……」というように、重いもの、軽いもの、さまざまな価値判断を行います。しかも、連続的に。

そもそもオトナですから、売りと買いしかないシンプルなトレードという行為について、結末まで想像してしまうでしょう。それこそが、人間の創造力なのですが、あえて頭を使わずに一部分だけを考えるべき場面も多いと思います。

試し玉で買い、状況を見ながら買い増しし、見込み通りに上がってきたらツナギを入れてみて……常識的な人がふつうに考えた結果、“考えすぎ”てしまうことも多いはずです。

一部分だけを考えるというのは、例えば、「買い戦略」において「買い始める」タイミングについて、とことん掘り下げてみる、といったことです。
11月の放送は、こんなテーマを取り上げてみました。

msうねり取りにおけるトレードの入り口
~ポジションを取り始める基準~

放送動画(30分)とフォローアップのブログは、こちらのページでご覧ください

中源線の売買を例として挙げていますが、すべてのトレードに通じる大切な考え方を説明する内容です。


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研究部会報
 林投資研究所で40年以上続いている、プレーヤーのための定期刊行物。

中源線建玉法
 最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

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