上げたら買い、下げたら売り? | 林知之


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連載「相場のこころ トレードの本質」その6

麻生太郎副総理兼財務・金融相が講演で、「証券会社勤務はヤバいヤツ」などと述べたそうで、いやはや、証券界を監督する立場なのに何を言いたかったのか……。
では、もしそうだったらと仮定して、ヤバいヤツをのさばらせないように、また、ヤバいヤツに引っかからないようにするために、しっかりと考えましょう(^_^)

連載1で、書籍『中源線建玉法』から引用した部分を再掲します。
錯覚に陥った、ダメな状態の投資態度を表現しています。

あるニュースをきっかけに、A株が暴騰必至、大化けの可能性ありとみて買う。しかしA株の動きは期待に反し、仕方なく「塩漬け」にする。
次のニュースでB株を買う、そしてC株……と次第に持ち株は増加する。
資金いっぱいになったあとは、引かされ幅の少ない銘柄を処分して新しい銘柄を買う。次第に騰がってきた銘柄はある程度の利益をみて売るが、売ったあとで暴騰することになる。
常に引かされた銘柄ばかりを持ち、市況好転の際いちばん早く時流に乗る「引かされ幅の少ない銘柄」を適当な利幅で売る、つまり当初に期待した「大化け」が現実に始まったところで売ってしまうのだ。
時流に乗る株を手放し、沈みゆく株を手持ちに繰り入れるというような、「手持ち株の悪化」のための努力を続けて一生を終わる。
(『新版 中源線建玉法』第一部 解説より)

引かされた銘柄を切ると損が確定するし、騰がってきた銘柄は、しぼまないうちに利益を確定したい……こう考えるのは、とても自然な心理です。引用した文章では「一生を終わる」などと極端な表現をしていますが、逆方向の行動を繰り返すのは、時間のムダどころか体験してはいけないことなのはたしかです。

最安値を買えるなんて偶然ですから、わずかに引かされるのは当たり前。だから、少しくらいの逆行は気にしていられません。しかし、一定以上の逆行があったら、つまり、「まずいかな」と考えながらも「少しくらい戻らないと切れない」と感じる玉があったら、その時点でたたき切ってしまうべきでしょう。あるいは、「それほどに弱い」と判断してドテン売りを仕掛ける選択肢だってアリです。

逆に、「手堅く手仕舞いしようか」と感じさせる玉は、この先も有望な“良い玉”であることが多く、売り逃げるよりも、むしろ「乗せ」を検討するのが正解かもしれない、という考え方に至るでしょう。

これらの対応を、機械的判断とともにルール化したのが「中源線建玉法」です。
裁量では行動しきれない部分をルール化し、落ち着き払って「上がってきたから買いなさい」「下げてきた。ここから売りなさい」と指示が出るのです。

結果として、中途半端な往来で負けが続くこともある一方、時流に乗って本格的に上伸したとき、裁量ではムリと思える乗り方で値幅取りが実現します。ドテンのシステムなので、人気がはげて大きく下げる場面も見逃さずに売りで取ります。このあたりが、実に面白いと感じるのです。

では、「逆張り」とは? 分割で平均値を有利にするための「ナンピン」とは?
次回、連載7で説明します。お楽しみに。


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中源線建玉法
 最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

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