「おすすめの相場本」を聞かれることがあります。
例えば「中源線を学ぶ」のなら、具体的なアドバイスや提案が可能です。
でも、漠然と「よい相場本は?」と聞かれても……数多くのやり方や考え方が、利益を上げる取り組み方として成立するので、答えるのが難しいのです。
でも、自分の「狙い」を明確な言葉にすれば道がひらけます。
例えば、「システムトレードについて概略を理解したい」とか、「ファンダメンタル分析で、割安かつ危険性のない銘柄リストをつくりたい」といった事柄です。
このアプローチだと、大きな効果がいくつもあります。
1)自分の好み(=進む道)が言葉になる
2)読む本が絞り込まれる
3)誤って選んでも、役に立つ情報が手に入る
「3」について「えっ」と思うでしょうが、狙いがハッキリしているので、不要な影響を受けませんし、その本から新たな狙いを発見できるかもしれません。いわゆる「クソ本」をつかんでも、なにがどうダメなのかを冷静に分析して言葉にできます。これまた発見です。
「研究所の本しか読みません」と言ってくれる人がいます。うれしいことですし、あるテーマについて集中して学ぶときは効果的ですが、視野を広く保つためには、いろいろな本を手にとってほしいと思います。ただし、読む本をさがす前に、相場でポジションを取るときと同じように、必ず「狙い」を明確にしたうえで。