【雑感】いつのまにやら年末… | しがないディーラー

いつのまにやら大納会ですね…。

今年は10月ぐらいから、公私にわたってあまりにもバタバタしていてあっという間の年末でした。
気づいてみれば「大納会」という印象です。

ホント色々ありました…。
大変なこと、苦しいこともありましたし、前向きなこと、とてもハッピーなこともありました。
様々な覚悟をもって取り組まなければならない時期もありましたが、こうして年末を迎えるにあたって、みなが前を向いて、いい雰囲気の中で年を越せそうなことに感謝です。


運用の世界で生き残るためには、結果が全てです。
「勝ち負けのある世界で勝ち続けること」って簡単なことじゃありません。
だからこそ真摯にマーケットと向き合い続け、自分自身と向き合い続けなければなりません。

コロナ過以降、市場は大きな変化をしてきました。

金利のない世界(マイナス金利という異常な世界)から、金利のある世界(金利正常化)へ。
「異常な世界」しか知らなかった若い運用者達にとっては、未知の世界だったかもしれません。
物色の流れも変化し、過去の自分のやり方が十分に機能しない、なんてことを感じた人も少なくなかったでしょう。

「金利」というマーケットの土台になるものが変化するとき、お金の流れが大きく変化し、様々なマーケットに影響を及ぼす。
そういう面では、経験や知識、過去を知ることが必要になる時期だったかもしれません。

その一方で、時として過去の実績や経験が邪魔をすることもあります。
うまくいったことで生じる慢心や油断からマーケットとの対話ができなくなり、うまくいかなくなり始めると今度はそれが焦りに変わる。どんどん市場との対話ができなくなり、決めつけでリスクを振り回してしまう。

それなりに経験豊富な運用者でも陥ることです。

相場に対して常に謙虚であること。
常に自分は失敗を犯す存在であり、だからこそ自らの判断に常に間違い探しをし続ける姿勢を持つこと。
「懸命に調べたんだから絶対に間違えていない」なんてことはないんです。
確かにそれは確度の高い判断かもしれません。しかし、企業も市場も変化し続けている。
常にそのときの判断に対して修正すべき点がないかどうかを検証し続けることも大切だったりします。

一度下した判断には、常に肯定バイアスがかかる。
自分の下した判断や決定を否定するということを、本能的に人は拒否しがちですから。
その前提に立って、常に自らと向き合うことが必要だったりするのです。

ほんとマーケットって怖い世界だなと思います。
ちょっとした慢心や油断で、あっという間に足元をすくなわれる。


勝ち負けのある世界で勝ち続けること…って、常に変化し続けるマーケットの中で自らも適応し続ける必要があるということです。
確かに普遍的なものもあります。
しかし「相場に絶対はない」んです。
バフェットやソロス、レイ・ダイオといったこの世界の偉人たちですら、「自分は常に間違いを犯す」ということを自覚しているんですから。
そこは見習っておきましょう。


と、ツラツラと今年一年を通じて自分が一番感じたことを書いてしまいましたが、色んなことがあった今年も終わろうとしています。


来年から、Yamawa Asset Managementでは新たに一名のPMが加わることになりました。
山和証券ディーリング部のPM(ポートフォリオ・マネージャー)育成コースで実績を素晴らしい実績を上げ、成長を示してくれた若手です。

「次世代の資産運用の担い手を育てる」

運用の世界で仕事をしていきたい、そう望む若者は少なくない。
この十数年の間に、個人投資家のすそ野は広がり、素晴らしい個人投資家が何人も生まれてきました。
資産運用の世界において、日本人は決して欧米の人たちに劣っているわけではないと確信しています。
ただそういった人材を育てる土壌が日本にはあまりにも少ない。

厳しい競争や淘汰の中で、成功者を生み出すプロセスを作っていくこと。
そして彼ら若い世代の成長と成功こそが、本当の意味でも資産運用立国に資することに繋がる。
そう信じています。

自分のようなおじさんに出来ることは、土を掘り、畑を耕し、種を蒔いて、肥料と水をやる…ぐらいしかできませんし、その畑も決して大きなものではありません。
それでも若い世代にチャンスを作ること、彼らの成長を後押しし、その成長とともに未来を創っていきたい。
そう思って、自らが現役を退く決断をしてから、マネジメントという仕事に取り組んできました。

未だに「地場証券のディーリング」というと「日計りしかやらない」「絶滅危惧種」「オワコン」と思われている方が多いですw
ファンドの世界に来て、様々な投資家やリサーチの方とお会いすると痛感します。
何人もの方から投げかけられた言葉です。

一つだけ言わせてください。
あの厳しい淘汰の中で生き残っているディーリング部、ディーラー達は、すでに絶滅の危機を乗り越えた生存者です。
生き残るためにそれぞれの形で変化をし、進化を遂げた存在です。
運用手法も多様化し、洗練もされてきています。

新たな若い世代も育ち始め、すでに柱になっているのはそういう若い世代だったりもします。
彼らのためにも、そろそろ過去の悪いイメージに引っ張られるのは卒業させてやってくださいw


「自分のお金だけを増やす」→「自社の会社のお金だけを増やす」→「自己資金運用を通じて運用者を育成し、資産運用の新たな担い手として世に送り出す」

自分はディーリング部長だった時代から、ディーリング(自己資金運用)の存在意義を再定義していく必要性を強く感じていました。

ようやくそれが一つの流れとして、形になろうとしています。

2022年にスタートしたPM育成コースから、厳しい淘汰を乗り越えて、ようやく一名PMとして合流してもらうところまで辿りつきました。
もちろんまだ他にも、自らの未来のために頑張ってくれている若手達がいます。そこから毎年のように、実績を上げた若手達が入ってきてくれるような組織にしていけたらいいなと思っています。

その未来に繋がる2025年にしていきたいものです。


それでは皆さん良いお年を!



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