以前は東京コモディティマーケットにも上場されていたコーヒー豆。
米国のICE・NY(インターコンチネンタル取引所NY)などで取引されています。
このコーヒー豆相場が最近急上昇しているのをご存知でしょうか?
200日移動平均線の位置は約120セントのあたり。
偶然ですが、1月初旬の値段はその120セント近辺でした。
それが1月末ごろから急伸に転じ、2月19日には172.90セントまで上昇。
比率で言えば40%以上にも及ぶ大幅上昇、火柱立つような暴騰と言っていいいでしょう。
コーヒーが未だ東京で上場されていたら・・・
一時は人気がある銘柄だったのですが。
今回は昔を懐かしむのが本題ではありません。
コーヒー豆の主要産地は、缶コーヒーのCMなどでもご存知の通り、赤道付近。
キリマンジャロ、ブルーマウンテン、ハワイ・コナなどが有名ですね。
ニューヨーク市場に影響が出るのは中でも中南米産です。
その南米で干ばつがおきており、コーヒー豆の品質悪化懸念が暴騰要因となっています。
2月17日の「マーケット・スクランブル」放送で、同僚の小野寺も南米の干ばつについては触れました。
私たち日本、関東甲信越地方でもこの2月は大雪に見舞われました。
長野、山梨では大変は苦労をされた方も多いと思います。
心からお見舞い申し上げます。
そして米国。
東部や中西部では大寒波。ニューヨーク州では非常事態宣言が出たほど。
この天候要因で最近の米国経済指標が大幅悪化しているのは放送でも触れました。
もちろん天気だけが要因か?と言えば疑問符が付きますが、大きな要因になっていることは間違いないでしょう。
中国のシャドーバンキングはじめ、新興国に黄色信号が灯るなか、先進国の米国でも天候という予想外要因で景気減速というのは心配ですね。
このように世界の天候に異常が感じられます。
ドイツのある研究チームは、今年は東太平洋の海水温度が上昇するエルニーニョ現象の発生を予測、この夏、猛暑になる可能性は75%以上という研究結果を発表しました。
(注・異論を唱える専門家もいます)
猛暑、干ばつとなれば記憶に新しいのが2012年の米国大干ばつ。
穀物価格が高騰しました。
米国農務省(USDA)は2月21~22日に「農業アウトルック・フォーラム2014」で、2014年の米国の主要農産物の需給見通しを公表します。
もちろん、その中にはエルニーニョ発生の可能性という要素は組み込まれません。
そして放送でも大きな要素として取り上げた、年に一度の「作付け意向面積」の発表が3月末にあります。
その時点でもエルニーニョ発生というのは認知されていないでしょう。
春の時点では平年作を想定して、穀物の新シーズンは始まります。
そこへ夏に本当に異常気象が発生したら?
そのように考えると、農業というのは実に不確定な未来に賭ける産業ですね。
それだけにリスクをヘッジする場として先物市場の整備は重要です。
前回の放送録画もぜひご覧ください。