【ドル円今週の予想(5月20日)】 | 陳晁熙

【ドル円今週の予想(5月20日)】
*予想レンジ:ドル円=153.00円~158.00円
*今週のドル円は、徐々に下値を切り上げて行く展開になりそうだ。ただ、1ドル=160円が近づく状況では、政府・日銀によるドル売り・円買い介入が警戒される。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、次の金融政策に関しては「利上げではない」と否定していることもドルの上値を抑えよう。先週示されたインフレ緩和や消費鈍化を受けて、FRBによる9月利下げ開始への期待が広がっている。

20日時点のCMEのFEDWATCHによると、市場は9月の利下げを49%近く織り込み、回数は年2回と予想されている。

ただ、複数のFRB高官からは「タカ派」発言が相次いでおり、ドルの下値をサポートしている。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、4月消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことを歓迎する一方で、これだけでは早期の利下げを唱えるには不十分との見解を示した。リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、インフレ率はFRBが望む水準にまだ達していないと述べた。米クリーブランド地区連銀のメスター総裁も、政策金利を現在の水準で維持することが、なお高水準で推移するインフレ率を目標の2%に戻すことにつながると述べた。

なお、政府・日銀は4月29日に約5.5兆円のドル売り・円買い介入を行い、5月2日に約3兆円の介入を行った。神田財務官は、24時間いつでも介入の準備はあると述べているが、イエレン財務長官は「介入はまれであるべき」と強く牽制した。インフレ懸念の強い米国としてはドル高を容認していることだろう。そのため、市場では介入がしずらくなったと認識しているかもしれない。

今週は、国内で22日に4月貿易統計、24日に全国消費者物価が発表される。米国では、22日にFOMC議事要旨(4月30・5月1日開催分)、23日に週間新規失業保険申請件数、5月のPMIが公表される。ただ、重要な経済指標発表に乏しいため、米金利の動向に影響されよう。日米の金利差からドルが買われやすいが、上値も限定的だろう。


*CFTC建玉:5月14日時点のファンドの円買い・ドル売りポジションは、-12万6182枚(前週比+8740枚)。

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