つい、やりすぎてしまうのが、相場あるあるです。
多くの人が「ポジポジ病」という言葉を使って、ポジションを増やしすぎる傾向を修正しようとしますが、ポジポジ病なんて言葉があること自体が、売買・トレードの困難さを証明しているといえます。
「引く」ことで、スッキリします。
3月31日のブログで紹介した断捨離を思い出してください。
家財道具をすべて外に運び出し、「さすがに、これがないと生きていけない」ものを選ぶ……これに近い状態で、「こんな場面で出動しないわけにはいかない」と感じる状況をさぐります。出動場面を“厳選”するのです。
まずは引く、思いきってポジションを大幅に減らすのです。
ゼロが理想です。
そして、出動場面を一気に増やすことなく、グッとこらえながらひとつずつ加えていくようにするべきです。
何のことはない、当たり前の指針を示したようですが、ひとりで考えて行動する相場においては、ビシッと意識すべき重要なポイントです。
ひとつずつ加える、ビシッとした態度を維持する──そのためには、足し算する理由、自分なりの根拠を明確にすることです。
なんとなく足してしまうのは、明らかなポジポジ病の症状ですから……。
ほんとうに、自分なりの言葉でいいので、「これこれ、こうだから」とハッキリさせて記録しておくといいでしょう。
相手が相場なので、あくまでも「自分なり」の考え方、「自分だけ」の仮説でいいのです。
数回やっただけでは、その仮説が正しいかどうか(自分が継続して大切にしていく事柄なのかどうか)を判断できません。
でも、ひとつずつ追加したものが蓄積されていくと、それらから新しい仮説が生まれるなどして前進していきます。
なんとなく感じたことを、無理やりでもいいから言葉にするのです。
すると、「あっ、これはムチャかな」なんて素直に考え直すこともできるでしょう。
突進してポジポジ病が悪化……こんな負のスパイラルが、ちょっとした注意で、とても高尚な思考に切り替わるのではないでしょうか。