株価変動は、「予測不能」といわれます。
参加者それぞれが“確信”をもって売り買いを決断しているのですが、未来を見てきた人はいません。これこそが、大きなポイントなのです。
私は「トレンドを考えよう」と提言していますが、明らかにトレンドがあったのに、突然に消えてしまう、方向を変えてしまうこともあります。
いい感じだったのに、突如として動きを変える──まさに、わがままな恋人です。
そんな、わがままに、とことんつき合うのが、相場・トレードという行為です。
上がると思ったら、逆に下がろうとしている……買いポジションは、切るしかありません。
損切りして終了、あるいはドテン、カラ売りを仕掛けるのです。
ムチャを言われても、対応しなければならないのです。
ただし、「放っておく」という手もあります。
買ったのに下がりそう……買いポジションを放置したらダメですが、ポジションを手仕舞いしたあと、なにもしない、という選択肢はあります。
恋人なら、「ムチャばかり言うから、しばらく会わない」という対応ですね。
この、「何もしない」という選択肢が重要なのです。
得することもないのですが、損する可能性も抱えない──こんな状態を大切な選択肢として認識できないと、
- 上がりそうもない銘柄の買いポジションを放置
- 資金を寝かせてしまう
- リスクを抱えているだけ
という、実は最も避けなければならない「塩漬け」状態を容認してしまうのです。
株価は、「わがままな恋人」です。
一緒にいて「メッチャ楽しい」こともあるけど、逆のこともある……でも、「しばらく会わない」という選択肢もある。
そして、距離をおいていても、「会いたくなったら、いつでも自分の意思で会いに行くことができる」という、特殊な存在なのです。