「安く買う」「高く売る」「銘柄を当てる」……さまざまなアプローチで臨みますが、イメージどおりに整うことなく混乱するケースが多いと思います。
振り返って考えると、さらに混乱したりします。
そんな状態を解決するために、売買のタイミング、特に「買いエントリーのタイミング」に的を絞って考えてみます。
株で儲けるためには「安く買って高く売る」という表現がありますが、実践の正しいイメージにはつながりにくいと私は思います。
まず、マーケットでは「交渉がきかない」ということが重要なポイントです。
指値注文という方法がありますが、「条件が合えば」ということであって、決して一般的な交渉ではありません。
基本的に、価格はすべて『市場まかせ』なのです。
動きがないときは異常に静かですが、動き出したらガンガンと勝手に居所を変えます。
安く買うほうが有利に決まっていますが、「今の時点で少しでも安く」という個別交渉の感覚、ふだんの買い物で有効な論理は全く通用しないのです。
ということで今回は、「安く買う」を封印します。
考えるのはタイミング、そのなかでも「エントリーのタイミング」に焦点を当てることにしました。
中源線を例に取ります。
ルールのおさらいを割愛しますが、「一定の逆行で転換を判断する」のが基本です。
「売り→買い」という転換、つまり陽転を考えます。
下げ相場における逆行は「上げ」です。
最安値を過ぎて少し上げて、その上げ方の条件がそろえば陽転、すなわち「トレンドが上向きに変化した」と判断するので、いわゆる順張り的なエントリーを行います。
封印したはずですが、それでも「安く買う」に反するので釈然としない向きもあるでしょう。ですが、「安く買う」「買い下がる」でひたすらポジションと逆向きに動いていくのが最もキケンなのです。
だから、「上がってきた。上げトレンドがつづきそうだ。だから買う」というのが、実践のイメージとしては正しいのです。
常にこのイメージがベースですが、現実のタイミングは人によります。
状況によってもちがうでしょう。
これが今回のテーマです。
―3月28日(金)のブログにつづく―