情報にだまされないために | 株式投資「虎の穴」

私たちマーケット参加者は、「情報」に敏感です。
日々、状況が変化し、ときにはスピーディーに対応することが求められるのですから、敏感になって当然です。

一般的なメディアの表現は、多くの場合、平均的な読者の心理に寄ろうとしています。

「平均的」は、正確ではないかもしれません。
結果的に平均かもしれませんが、「最も層の厚い読者」です。
情報を買ってもらうために当然、厚い層を狙います。

しかし、読者の「不安」や「恐怖心」を上手に利用します。
素直に読者に迎合するのではなく、テクニックを駆使するのです。

たとえば、「相場は過熱しているのか──」。
こんな表現を使うのは、それほど過熱していないのに、「もしかしたら過熱?(目先の天井をつけて下げるの?)」と読者が不安に思っている状況です。

私は、「過熱しているかもしれない」という論調があったら、「買いポジションは、ねばっても大丈夫なのかな」と考えます。

記事を書く人もいろいろとオトナの事情を背負い、計算しながら記事を書くので、ブレが生じます。そういった機微まではわからないので、大手メディアが不特定多数に向けて発信する情報は、全く見ないか、見ても気にしないのがベストです。

ちなみに、本当に過熱したときは、記者も雰囲気に飲まれて「大相場がはじまったかも!」なんて思うのでしょうから、それこそ「過熱」という言葉を使わなくなる、という推察ができそうですけどね。

過熱しているのか──こんな言葉を気にする人は、その人の心が常に過熱ぎみなのかもしれません。相場が動かなくても熱く、動いたときはゲキ熱……必然的に大ヤラレする人の心理傾向です。

他人を見下しているような表現ばかりだと感じるかもしれませんが、マーケット参加者の心理や自己コントロール能力に大きな差はない、と私は考えます。

優秀な人、常に冷静な人も、わずかながらいますが、それ以外の多数はどんぐりの背比べだと思うのです。だから、私自身も当然、そのうちの1人です。

ただ、落ち着いて全体を見渡し、「そんなもんだよ」と自分のことを自虐的に笑い飛ばす発想があると、“望ましくない思考が悪手に直結する”ことを、どうにか避けることができると思うのです。

こんなところから生まれる知恵が、相場における重要なテクニックです。
難しい場面を経験値と技術で乗り切るなんてカッコいいことは、レアケースでしょう。

カッコわるく大損の可能性から逃げ回り、なんとかマーケットに踏みとどまっていると、ラクに取れるチャンスに巡り会うときもある──これが現実です。
 

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