売買の対象を考えたとき、個別銘柄の活発な動きは大きな魅力です。でも、業績の変化その他で極端な動きをすることもあるし、それを均(なら)そうと複数銘柄の組み合わせを考えるとハードルが高い……。
しかし、プレーヤーとして積極的に考え、プロと同等に、計画的かつ戦略的な銘柄選びを行う突破口は、意外とカンタンに見つけることができます。
受け身の姿勢で「情報弱者」に近寄ることなく、自ら行動するための思考法をご紹介しましょう。
「どの銘柄か」「売りか買いか」・・・誰もが重視していること、最も大切にしていることを捨ててしまえ! 「そんなの関係ない!」と考えることで、「オトナの投資家として自由になれる」。
おそらく、「なんのこっちゃ?」と思うでしょう。
命の次に大切といわれるカネをリスクにさらすのが、相場という行為です。
そこで誰もが、「予測を当てたい」と考えます。
当たり前のことなのに、それを捨てろと言われても納得できませんよね。
金融工学では、例えば、下げて300円で這(は)いつくばっている状況でも、その銘柄が急騰した状況でも、「この先、上がるか下がるかの確率は同じ」と考えます。
極端に思えるかもしれませんが、この捉え方は“プレーンな考え方”と位置づけられます。
一方で私たちは、値動きを見て「強い」とか「下げそうだ」などと評価します。
これは、具体的な売買行動を決めるために不可欠な価値判断なのですが、その思考はいわば自分勝手、極めて個人的なものです。そして、問題を複雑にしています。
だから、それを捨て去って「まっさらな状態になってみよう」という提案が、「そんなの関係ない!」なのです。
では、捨てるとどうなるか──。
まず、当てるための特別な情報が不要になります。
どこに当たる情報があるか、どの先生の意見が当たりそうか……そんな“情報集め”をするのが、まさに情報弱者の行動であり、情報屋の思うツボだ──こう考えてみることで、マーケットの真理、相場の核心を発見したいのです。
―1月27日(月)のブログにつづく―