配当利回りが高い銘柄は、とても魅力的です。
東証プライム市場でも、5%、6%といった高利回りの銘柄があります。
現在の金利水準なら、借金して株を買っても、借入金利を上回る配当が得られるのです。
これはおトク! と飛びつきたくなりますが、落ち着いて考えてください。
なぜ、そんな状態の株価が放置されているのか?
状況はいろいろですが、なかには「アブないのでは?」と感じる銘柄もあります。
- 適度な蓄えがあるので、十分な配当を出すことが可能
- でも、現時点での利益水準は低い(稼ぐ力が衰えている)
- 評価が低いから株価も安い(だから、配当利回りも高い)
例えば、「もっと株価が売られても不思議ではない」という状況なのに、配当利回りが下支えで、ぼちぼちの水準を維持している、なんて雰囲気の銘柄もあるのです。
落ちている収益が、遠くないうちに回復すればいいのですが、低迷が続いたり、さらに落ち込んだりすれば、減配(配当の額を減らす)するかもしれません。
配当利回りが大きな下支えという状況なら、わずかな減配であっても、株価はガクンと下がるでしょう。
「年間5%の配当なんてスゴい」と思っていたのに、わずか1日で10%、あるいはそれ以上に株価が下落してしまうかもしれません。
大企業は、きちんと株主のことを考えて運営することが求められます。
昔のように、「会社は経営者と社員のもの」なんてセリフは聞かなくなりました。
(まだ勘違いしている経営者もいるようですが……)
したがって、配当も株式保有の大きな魅力です。
値動きだけを狙って売買していると、配当落ちのタイミングがジャマなのですが、いつの間にか受け取った配当がバカにならない──こんな現実もあります。
とはいえ、配当利回りを表面的に捉えて期待すると、ヒドい目に遭うこともあります。
内容をよく見て、納得してから手を出すのが鉄則です。