見るのは「トレンド」 | 株式投資「虎の穴」

ビジネスで、チームの仲間の仕事をチェックして“ダメ出し”するのは、「全体にOKだけど、ここを直すとグッとよくなるよ」という仕上げの作業として不可欠なものです。
すでに終わったことでも、結果を見て振り返ることが将来につながります。
ただ、おかしな“結果論”になってしまうケースもあるでしょう。

自分自身について考えるときのほうが冷静かもしれません。
あの時、あっちの道を選んでいたら……人生について振り返る場合は、「今さらそんなことを言ってもねぇ」などと落ち着いて考えます。
かたや相場では、昨日今日の動きを見て「こうしておけば……」なんてムチャな考えが浮かびます。
力かげんや基準が、本当に難しいと思います。

中源線の売買を始めて数カ月、成績はわるくないような、問題があるような・・・会員から寄せられる“相談あるある”です。

ある時、「6銘柄で3カ月間売買して、全体の成績がマイナス1%なんです……」という相談を受けました。個々の銘柄を確認してみると、そこそこ利益を生んでいる銘柄がある一方、中途半端な往来で中源線が機能せずに損を発生させている銘柄がありました。

「損の銘柄を手がけなければよかった」「利益の銘柄は、株数が多ければよかった」なんて発想もありそうですが、単なるタラレバなら生産性はゼロ。
もう少し現実的な観点で、未来につながる検証を心がけたいものです。

やはり3カ月では判断しかねる、というのが答えです。
わずか3カ月の結果では、手がけた銘柄の優劣や手法との相性を論じることが難しいでしょう。

目先の利益うんぬんの問題ではなく、真剣になって結論を急ぐと、その手法を誤って理解する可能性があるのです。
「これもダメだ、こっちもダメだ」と銘柄を取っかえ引っかえ、あるいは手法を乗りかえ続ける“相場難民”の領域に入ると、正しい軌道に戻るのが困難です。

買い値と売り値の「差」が損益を決めるので、つい「価格」(タテ軸)だけに目を向けがちですが、もうひとつの大切な要素である「時間」(ヨコ軸)を置き去りにした感覚になってしまいます。

例えば、「300円で買った瞬間に400円で売る」というのは不可能。短期であれ中期であれ、必ず“一定の時間”を要します。だから、チャートのヨコ軸の「時間」を無視するような観察は好ましくないのです。

トレードで大切なのは、タテ軸とヨコ軸をあわせて生まれる「トレンド」です。

上げトレンドならば、買いから入ることで利益を取りやすい、下げトレンドならば、売りから入ることでラクに利益を取れる──こういう、大局を見る感覚が極めて重要です。

そして、そのトレンドの転換を気にするのが、私たちが行うチャート観察です。

  • 上げ → 下げ
  • 下げ → 上げ

以上の2つが代表的な変化ですが、現実ではもっと細かく考えます。たとえば、

  • 上げ → 上げ止まり
  • 緩やかな上げ → 急激な上げ
  • 上げ途上の一時的な下げ(押し)

こういった変化を、チャートのヨコ軸(日柄)とともにデリケートに捉えるのが、トレードにおける値動き観察の本質です。

林投資研究所のオリジナル手法「中源線建玉法」は、トレンドの変化を捉えて“波に乗る”試みを、機械的に判断する仕組みです。

自分のやり方(予測法、建玉法、資金管理法)の強みと弱みを熟知し、刻一刻と変化する株価に対して確固たる「次の一手」を決め、それを確実に実行するのがトレードです。

「なんとなく買い集めた、でも動きがよろしくない・・・上がってくれ~!」

株式投資では、多くのオトナがこんな状態に陥るのが現実です。一歩抜きん出るためには、軽やかに対応する「行動力」を意識したいものです。

相場は「カネがカネを生む」行為、「カネに働いてもらう」ビジネスといえますが、個別の株、個別のポジションが意思をもって動くわけではありません。
動かすのは、プレーヤーであるあなた自身です。
 

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