中源線の自慢として、多くのトレードシステムとは異なる部分を紹介します。
ズバリ! ルールがシンプルなのです。
終値だけを点で打ち、その点を直線で結ぶ「折れ線チャート」は、ローソク足のように豊富なデータを持っていません。そのかわり、流れ(株価変動のトレンド)を素直に観察できるのが特長です。
そんな折れ線チャートのパターン分析でトレンド転換を判断する中源線は、サラッと説明を聞くともの足りない、「これでいいの?」と感じるかもしれません。
でも、そこに大きな強みがあります。
極めてシンプルなので、完全にアナログ思考の私たち生身の人間でも、最初から最後まで判定の中身を把握できるのです。
ということは、アナログ思考によって売買数量を変更してみたり、パラメータ(変数)をいじってみたり、プレーヤーとして思いつくアレンジを、いろいろと試すことが可能なのです。
料理にたとえます。
一般受けする調理器具の一例をあげると、電子レンジや炊飯器(細かいメニューボタンが設定されている)ですが、それぞれの機能にどんな差があるのか考えずに使うことが多いと思います。
かたやプロの道具は、無骨でシンプルです。
鍋に取っ手が付いていないほどです。
だから、中源線を実践しようとしたとき、「はい、じっくり勉強してくださいね」と言うしかないのですが、マーケットの競争で勝とうとするのですから、それを「めんどくさい」などと思わず、「今までとは違う世界が見えるかもしれない!」とワクワクしてほしいのです。
今日、明日、来週……忙しく変化する株価を追う作業があるので、立ち止まって考える機会が意外と少ないかもしれません。それでもいいと思います。
ただ、別の脳で「ひとつの手法を学んでみる」ことも大切です。
中源線がすべてではなく、手法としてきちんと確立されたものは数多くあります。
素人だましの日替わり情報ではなく、プロっぽい思考で売買・トレードに臨んでみることを強くおすすめします。
「中源線建玉法」も、ルールそのものは変えていませんが、時代に合わせて「中源線シグナル配信」のサービスをはじめたり、学習のための動画を作成したり、泥くさいレベルながらに企業努力をしています。
林投資研究所で提唱する低位株投資の手法「FAI投資法」も、すでに40年以上の歴史を刻んでいます。最初に作った「30項目のルール」のうち、消滅したものもあります。ファンダメンタル分析の具体的な基準を追加した項もあります。
でも、骨子はいっさい変わっていません。
株価変動の普遍的な部分に目を向けているので、変わりようがないのです。
かっぱえびせんの材料が、エビから鶏肉に変わらないのと同じです。
FAI投資法が中源線と異なる大きな点は、時間軸のちがいでしょう。
低位株に選別投資するうえで、月足を使った長期波動の観察を行います。
そして、数年間の上げトレンドを見出して、分散投資するのです。
のんびりした印象をもつかもしれませんが、日々の動きを見ながら多めの銘柄を手がけるので、ヒマだと感じるような手法ではありません。
また、実際の売買では銘柄を入れ替えていくので、範囲を限定したプロのやり方でありながら、「銘柄選び」という少し俗っぽい楽しみの要素をそなえています。