12月25日のブログで、「予測は行動のキッカケ」と述べました。
その時点での予測は、その時点で“理想と考える展開”です。
こうなってほしいよね、こうなるはずなんだよ──このように確信できる「値動きモデル」です。
ところが、なかなか期待通りにはならないし、予測が当たったとしても、上手に利益確保の手仕舞いができるかどうかが問題です。
ましてや、予測が曲がったときは、どこで負けを認め、どのタイミングで損切り撤退するかという“重たい課題”に直面します。
この段階で必要なのは「実践モデル」、つまり「生身の人間が確実に実行できることは一体なに?」という理論です。
この理論を固める、実際にからだが動くようにする、その自信をつける……そのためには「練習」が必要です。
「やらなきゃわからない」ことがあるのです。
銘柄情報を追いかけて錯覚が生じると、こういう当たり前の組み立て方ができなくなります。
仕事や趣味では、ちゃんとした向き合い方ができるのに、大切なカネを扱うトレードでグダグダになってはいけません。
トレードはミスの連続です。
ミスしたときのケガを大きくしない──これが、「実践モデル」の核です。
私たち投資家は、神のように先行きを言い当てようとすべきなのでしょうか?
否!
単なる人間であり、「カネがほしい」と欲をもつ俗っぽい存在でありながら、現実を熟知して上手に対応できる──そんな実践家、実力あるプレーヤーを目指すべきです。
多くの個人投資家は、「自分は知識が足りないシロートだ」という認識を少なからずもっています。
すると、投資信託などの金融商品を販売する人が単なる“売り子”であっても、「金融機関にいるのだからプロだ」「自分に有益な情報をくれるのだろう」と、期待を込めた勘違いをしてしまいます。
行動心理学では「権威づけ効果」と呼びます。
根拠なしに目の前の相手を信じてしまう、新鮮な情報を無防備に受け入れてしまうのです。
たしかに、単なるセールスマン(売り子)であっても、金融のことを考える時間は、一般の個人投資家とは比べものにならないほどあるでしょう。
知識だって、それなりに豊富です。
でも、あなたのことを完ぺきに理解して素晴らしいアドバイスをくれるとは限りません。
そもそも相場の先行きは……だれにもわからないのです。ここがポイント!
「推奨銘柄」情報を安易に手に入れてはいけない理由が、ここにあるのです。