シナリオと現実の差で行動を決める | 株式投資「虎の穴」

すでに放送を終了していますが、かつてNHKの番組「ガッテン!」で、耳鳴りの問題を取り上げたことがありました。
すべてのケースではないのでしょうが、私たち人間が兼ね備えている「注意力」がアダとなり、気にしすぎて耳鳴りの悩みから抜け出せない──そんな前提で考えた結果、大きく改善した事例が多いとのことでした。

絶対に避けたいミスを意識した結果、逆にそのミスを起こしてしまう……あるあるですよね。


「考えすぎ」「気にしい」「神経質」等々、繊細かつ敏感でよいはずなのに否定されることもあります。「鈍感力」という言葉がもてはやされたこともあるように、相場に対しても、「今日はどうだ」「明日はどうなる?」と考えすぎないほうがいいのかもしれません。
しかし、カチッと考えておくべき部分もあります。

こんなデリケートなことをテーマに、自分の行動をコントロールする方法を考えてみます。

●その1「理想型を考える」


買うと下がり、売ると上がる・・・これが相場の現実です。

買った直後に上がり出す、利食い売りすれば目先の天井をつけるから下げたところで買い直し、カラ売りを仕掛ければスルスルッと下げ波動に入る……こんなことが続くなんてあり得ないどころか、少しでもあったら警戒すべきです。

「調子こいて痛い目に遭うのではないか……」と。

この現実を踏まえて、実用的な戦略を用意するのがトレードです。
「資金管理」といった地味なテーマが大切ですし、「ポジション操作」を丁寧に考えることも不可欠です。

とはいえ、「予測法」の部分では、ピタリと当たる理想型のイメージをつくり、それを根底に置いておきたいのです。

『こうきて、こうなって、ビシッと利食い!』というヤツですね。

「こうなるんだ!」という“理想的な展開”が、そのあとのデリケートな判断に欠かせない基準だからです。


●その2「中間結果の評価」


さて、理想的な展開を想像しながらポジションをつくり始めても、現実の値運びが、自分の想定と完全に一致することは期待できません。いわゆる、予測の「当たり外れ」が生じます。

しかし、ここに大きなポイントがあります。

当たり外れは、ルールや審判によって判定されるものではありません。トレードでは、スタートもフィニッシュも決められていないからです。

トレードの当たり外れは、自らの基準によって、自ら判定します。

「想定通り」「少しちがう」「これは見込み違いだ」というように。
他人に伝えるためではなく、ポジションについて“次の一手”を決めるためです。

ポジションをつくったあと、一定の期間が経過したところで、自らの基準で“とりあえず”の判定をします。そして、「このまま続けるか、作戦を変更するか」と考えるのです。



この図の、下半分が重要です。

  • 「中間結果」を見て自分で判定する
  • 自由に対応する

こんなサイクルが、ずっと続くのがトレードの現実です。

―11月22日のブログにつづく―
 

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