リスクにさらす金額を考える | 株式投資「虎の穴」

値動きの観察から離れ、ちょっと地味な話をします。
プロがとても重視する半面、一般投資家が考えようとしない「資金管理」の問題です。

どんな動きをみせるかなんて、常にあとでわかること。

だから、プレーヤーとしてブレないためには、「今回は当たるかどうか」などという、考えてもわからないことには目を向けず、「いつもと同じように行動する」ことにエネルギーを注がなくてはなりません

予測が当たって当然、利益が出て当然ですが、納得できない負け方をすることも当然の出来事なのです。だから、当たろうが曲がろうが、手仕舞いの仕方で対応して「損小利大」を試みるわけです。

曲がる=「予測が外れる」という意味の相場用語

さて、そんな現実のブレを吸収するためには、資金に余裕をもつしかありません。資金稼働率を上げすぎない、ポジションサイズを過大にしない、ということです。

中源線では、変動の大きい個別銘柄でもブレを吸収できるようにと、最大の資金稼働率を50%と規定しています。「えっ、それだけしかやらないの?」と思う人は、ちまたの情報によって基準が過度になっていると考えてください。

しかし、「トレード資金の稼働率」以前に、そもそも「いくらを取引口座に入れるか」という問題があります。

資産額、収入、トレードへの姿勢、等々で異なるため、一概にはいえませんが、「資産をリスクにさらす」のですから、トレード全体が失敗するサイアクの事態まで考えておくべきです。

儲けるため、勝つためにトレードするのですが、想定外の事態でもキズを最小限に抑えるための安全弁を設けておくのが、社会人、オトナの務めです。
こうした慎重かつ論理的な考え方が、個々の売買判断にもプラスに働くはずです。



さてさて、厳しいことばかり並べ立てましたが、それだけ相場の変動が激しいということで、別の角度から考えれば、指数とは異なる動きをする個別銘柄、指数よりも大きな変動率をみせる個別銘柄は、トレード対象として非常に魅力的だということです。

また、個別銘柄それぞれの動きを、丁寧に観察することで、日々飛び交う投資関連情報のような“雑音”の影響をゼロに近づけ、プロと同じ思考を実現することも可能になるのです。
 

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