チャート分析において「秘密のサイン」を見つけたい──誰もが自然に想像します。
- 絶好の買い場
- 底打ち完了
- 押し目完了
- 天井
でも、「秘密のサインはどこ?」と前のめりになると、無視すべき小さな動きを拾って「ゼッタイのサインだ!」なんてコーフンしてしまうことがあります。
例えば、チャートに追加する補助線。
下値抵抗線、上値抵抗線などを引いて、分析の“助け”にするのですが、2点間ならば「どこにでも引くことができてしまう」のです。
下に示すように2点間の線を引いても、特別な意味はありません。
ジャマになるだけです。
このように、必死になって線を引かなくても「線が見える」状態なら、それは適正な助け、観察の重要なポイントです。
ということは、意味のある情報は、あえて探さなくても見えている、すなわち「誰にでもわかる」ことなのです。実践的なサインは、秘密でもなんでもないのです。
最も重要なのは、「全体の流れ」です。
細かいところに目を向けるのではなく、極めて大ざっぱに、「下がってきて、下げ止まり、保合のあと上昇に転じた」程度の捉え方が、とても実用的なのです。
「決め手になった線はどれだ?」なんて感覚で見ていると、それはそれで楽しいかもしれませんが、実践的にはよろしくありません。ボヤッと眺めていても「これだな」と認識できるものが、強いサインなのです。