プロスペクト理論 | 株式投資「虎の穴」

最近は、心理学をベースとした「プロスペクト理論」など科学的な情報が豊富で、事例を挙げながら、人間が不合理な判断を下してしまう傾向が指摘されています。

でも、多くの説明が「二者択一」の問題で、そのままではトレードに持ち込めるのだろうかと疑問も感じます。

例えば、次のような2つの選択肢が示された課題があります。

A.80%の確率で40万円もらえる
B.100%の確率で30万円もらえる


Aは80%、つまり20%の場合は一銭ももらえないのですが、期待値を計算すると「80%×40万円=32万円」で、Bの期待値は30万円だから、Aのほうがおトク(Bを選ぶのは不合理な判断である)、というのです。

この状況に繰り返し遭遇するのなら別ですが、「一度きり」ならば、確実にもらえるBが現実的には正しいという答えだってありますよね。

それに、時間の経過のなかで状況が変化していくのが相場で、それに対して自分がどう行動するかの選択肢は無限にあります。そして、結果を決めるのは「継続的な多数の選択」です。

もちろん、プロスペクト理論は、こういった点にも言及しているのですが、ひたすら“合理性”を追究するだけで、実際の売買戦略を整えるのは難しいと思うのです。

前述したように、「継続的な多数の選択」が結果を決めます。
さらに、単に「勝った」「負けた」の話ではなく、ボタンのかけちがいによって資金が大幅に減ってしまうこともあるので、多くの人が意識する「大勝ち」ではなく「大負けしない」ことが最大のポイントです。

誰もが経験から気づいているような事柄で、安全策をとることが常に最優先なのです。

そんな地味な姿勢、少し臆病なくらいの歩み方をすれば、その場その場の判断はまさに「神のみぞ知る」こと。
ポジション操作していくことを前提に、直感でサッと動くのが正解と結論づけることができます。
 

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