株取引、相場の世界は競争です。
そんなカンタンに、ウハウハに儲かるわけがありません。
カネがカネを生む世界なので、成功したときは驚異的な効率ですが、多くの投資家が必死に競争しているうえに、株式市場だって現実の経済の一部なのですから、常識的な範囲におさまるのが道理です。
むしろ、失敗で資金を大幅に減らすことを警戒しなければなりません。
成功した人が「もっともっと!」とムリをして負ける、負けた人が「取り返そう」と力んでさらに負ける……これが株式市場の構造です。
「失敗で資金を大幅に減らすこと」が、なぜコワいのか──物理的に戦えなくなってしまうからです。俗にいう“ドボン”です。
株式市場の参加者を継続的に見ていると、意外なほど短期間で去っていく人が多くて、生き残る人が少ないのです。
業界内には「その結果、常に8割が初心者だ」という意見もあるほどです。
さすがに「少し大げさかな?」と感じつつも、真っ向から否定する人もいません。
“初心者8割論”は、「言い得て妙」という評価を得る説なのです。
さて、“ドボン”するほどのムチャをしなければ、あまり上手でなくても、そこそこ長くつづけられます。そして、ある程度の経験を積んで、相場の難しさを知ります。
「5倍」「10倍」と考えていた常識的なオトナが、こんどは「年5%を目指す」と大きな方向転換をしたりするのです。
ところが、「負けなしで全銘柄が5%の利益」なんて結果を目指し、損切りが遅れてケガが大きいとか、「小幅の利益で逃げるのが手堅い」と考え、せっかくつくった絶好のポジションをさっさと手仕舞って取り損なうとか……いろいろとチグハグになって思い悩むのが相場の世界です。
- ムリな資金量を用意しない
- 資金稼働率も低めにしておく
- 狙いを定めるようにして、売買頻度も抑える
安全第一に行動の「枠」を設定し、その枠内ではある程度自由に、感じるままに動くのが正しいのです。