相場の結果は「やったとおり」 | 株式投資「虎の穴」

当たり前のことですが、私たちが入手できるのは「過去データ」だけです。
未来のデータを手に入れるには、タイムマシンの開発しかありません。

過去データだけを見て未来を考える──こんな、とんでもない試みこそが相場です。

こうした当たり前の部分を、あえて突きつめていくことで、相場の本質が浮かび上がります。
多くの観点がありますが、例えば『テクニカル分析の三原則』のひとつ、「歴史は繰り返す」について考えてみます。

歴史は繰り返す……過去を見ていれば、未来の値動きを当てることができるのでしょうか?
もしそうなら、誰でも当てることができます。
参加者の売り買いで価格が動く構造なので、それはあり得ません。

結論として、「ピタリ同じ動きが再現される」と考えたらダメ、ということです。

似たような動きをみせる、そんな可能性がある、いや、その可能性を手がかりにしないと「予測してポジションを取ることができない」から仕方がない……丁寧に考えるほど、徐々にトーンダウンしてしまいます。

つい期待を膨らませてしまうのですが、ガッカリな事実を出発点にするしかないのです。

ちなみに、私は移動平均線を否定的に考えます
その最大の理由は、「過去」と「未来」という時間軸です。

現在値、すなわち「現時点での最終的な価格」は、すでに成立したものなので、厳密に言えば「過去データ」です。過去・現在・未来といった表現もありますが、見えているのは100%過去で、必死に考えているのは未来、と2つにまとめるのが現実的です。

未来を考えるうえで、最後に強く意識するのは現在値、つまり“最も新しい過去データ”であるべきです。
ところが、移動平均を計算するためには、時間軸を過去にずらす必要があります。

未来を考えているのに過去に引っ張られる……ここに違和感を覚えるのです。

未来を意識してポジションを取るのですが、過去を見て判断している以上、常に遅れている状態なのです。
このことを受け入れながらも、さらに遅れることはしたくないということです。

さて、過去データしかない状態で未来を考え、なにを求めるか──。

やはり、予測を「当てたい」わけです。
そう考えるのが人情だし、「当てよう」としないと真剣になれません。
そして、「オレの予測は当たるにちがいない!」と盲信するくらいの勢いがなかったら、大切なおカネを投じてポジションを取ることなどできません。

でも、当たることが前提でポジションを取ると、曲がったときにヒドい目に遭います
ちょっとでも株数が多いと、「これが当たらないとマズい……」なんて状況に自分を追い込んでしまいます。思惑どおりなら万々歳ですが、逆に動くとあっという間に酸欠状態です。

したがって、実践の心得は、「当てようとするんだけど、予測的中を放棄する」ことです。
意味不明のようですが、ここが重要です。

中源線を考えてみてください。

陰陽転換は、実にあっさり、ズバッと決めます。
時には数本の足だけで「はい転換」と答えを出します。
堂々としたものです。

でも、3分割します。そして、転換後のポジションは、計画の3分の1だけです。
「上だ!」と決断してすぐにポジションを取る、つまり当たる前提で素早く行動します。
でも、曲がる前提で3分の1しか建てないのです。
 

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