中源線の非常にシンプルなルールは、実践者の感覚とすんなり一致します。
なおかつ、アレンジの余地を残しています。
では、アレンジを考える際のポイントは?
「アレンジしている」つもりが、直近の成績をもとに当てにいって「振り回される」状態になりがちです。
この落とし穴にはまらないために、あらためて中源線のルールを確認しておきましょう。
中源線は、「逆行と逆行の組み合わせ」でトレンド転換を判断します。
下げトレンドでは、下向きの動き(前日比マイナス)が「順行」です。
中源線は、基本的に、順行を放置します。
「単に利が伸びる動き」と考えるのです。
しかし、「逆行」には注意します。
そして、小さな逆行(兆し、「屈曲段」と呼ぶ)を抜く大きな逆行をみて「トレンドが転換したようだ」と判定します。
しかし、決して決め打ちせず、まずは3分割の1回分、「3分の1」だけポジションを取ります。いわゆる「試し玉」です。
意外とアッサリ、陰陽(強弱)をひっくり返します。
しかし、慎重に「まずは3分の1」なのです。
中源線の特長である「素早い転換」によって、機を逃すことなく行動しながらも、ダマシを警戒して分割でポジションをつくるルールなのです。
では、残りの3分の2、本玉に相当する部分はどんなタイミングでつくるのでしょうか?
逆行と逆行の組み合わせで陰陽(強弱)を転換させるのが、中源線です。
しかし、その後の値動きしだいでは、あっさりダマシに終わるケースもあります。
そこで、中源線では、「転換後、その方向へ動く度合」をチェックします。
これが、二度目の判定です。
下の図は、売り線(陰線、黒)からのトレンド転換、逆行(AB)と逆行(CD)の組み合わせで「陽転」と判断した状況を示しています。
中源線は、転換時に素早く3分の1ポジションを取ったあと、増し玉は逆張りで行います。
順張り的に陰陽転換を判断するのですが、増し玉の入れ方は逆張り、「押し目買い」または「戻り売り」でポジションを増やします。
でも、DEの押しでは増し玉しません。
「二度目のライン」を越えていないため、「転換の確度はまだ低い」と考えるのです。
DEのあと、切り返してFに至ります。これで、転換後の新値を更新しました。
「二度目のライン」を越え、「この先は押し目で買い増し」と姿勢を変化させます。
- 転換を素早く判断して行動するが、まずは3分の1しかポジションを取らない
- 試し玉から本玉に移る「二度目のライン」が規定されている
「まずは行動」「でも慎重に進む」という、実践者のデリケートな発想が、シンプルなルールにうまく盛り込まれているのです。