売買の分類には、いろいろな観点があります。
多くの人は、例えば「順張り/逆張り」とか「中長期/短期」といった分け方を思い浮かべるでしょう。でも、一般的な投資関連情報には登場しない観点があります。
それが、銘柄を「選別する」か「固定する」かという区別です。
銘柄の選別というのは、多くの個人投資家が行う方法で、「今から手がける(買う)のなら、どの銘柄がいいか」というものです。もちろん、機関投資家だって、「どの銘柄をファンドに組み入れるか」と選別します。
それに対して銘柄の固定とは、手がける銘柄を思いきり絞り込んでおく方法です。
例えば、値動きを追いかけるのが30銘柄でも、同時にポジションを取るのは「3銘柄まで」とか、極端な場合は、そもそも1銘柄しか見ない、といった姿勢です。
極端な銘柄の絞り込みは、それこそ古い時代、資金の流れが国内の閉鎖的な範囲にとどまり、売買対象となる企業の業績や業種・業態の変化がゆるやかだった時代の発想かもしれませんが、「一定範囲に限定する」ことは現在のマーケットでも有効です。
株式市場に関する情報は、無責任なほど“その場かぎり”です。
不特定多数を対象に「情報を売る」ため、とにかく目新しい情報を出しつづけるからです。
読者(個人投資家)は常にワクワク感を維持できますが、その手の情報に目を向けて儲かるかどうかは疑問です。
視点が全く定まっていないため、対象を絞り込む姿勢がゼロ、とても無節操なのです。
一般的な株の情報は、「視点が定まっていない」と述べました。
でも、視点が定まったら、多くの人がワクワクする情報をコンスタントに発信しつづけることができません。構造的な問題です。
批判を避け、自分の取り組み方を考えましょう。
では、個人投資家であっても、常に抑圧的に、修行僧のように株式投資に取り組むべきなのでしょうか?
そんな姿勢をもつことができたら、大きなアドバンテージです。
でも、私たちは感情をもつ人間なので、やはり俗っぽい楽しみの要素がほしいところです。
楽しみの要素は、「あったほうがいい」ではなく、はっきりと「必要だ」と考えます。
例えば、キツい筋トレを日々やっている人は、キツいことが好きなのではなく、筋トレによってつくられる運動能力とか美しい肉体を持つことに、強い楽しみを感じて継続するのでしょう。
ただ、株式投資において、安易に楽しみの要素をもとうとすると、手に入りやすくて視点が定まらない無責任な情報を利用することになってしまうのです。
―1月22日のブログにつづく―