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☆ビットコインへのレバレッジ投機
土曜日の午前11時過ぎに、このところ最高値を大幅更新中の「ビットコインのトップニュース」をグーグル検索したら、以下のような見出しが出てきた。
コインテレグラフ ジャパン
「ビットコイン 今回の強気サイクルでは14万6000ドルを目標に=仮想通貨アナリスト」
2日前
CoinPost
「400回以上の死亡宣言を乗り越えたビットコイン、10万ドルに向かって反発」
4時間前
ダイヤモンド・オンライン
「トランプ勝利で『ビットコイン』上昇に拍車、“怪進撃”はどこまで続くか徹底検証」
6時間前
bitperfect.pe
「誰もが話題にしている衝撃的なビットコイン価格の急騰」
1時間前
Yahoo!ニュース
「ビットコインは下落乗り越え10万ドル突破へ、十分な上昇余地あり:CryptoQuant」
22時間前
コインテレグラフ ジャパン
「ビットコインのクジラ 9万ドルの反落時に押し目買い 15億ドル分を購入=仮想通貨アナリスト」
13時間前
ここで私が気になったのは押し目買いをしたクジラだが、本文を読んでもクジラたちとしか出ていなかった。
一方、ブルームバーグはマイクロストラテジー社が11月18日-24日に54億ドル相当のビットコインを追加購入したと報じている。以下に全文引用する。
(引用ここから、URLまで)
データ分析ソフトウエアの米マイクロストラテジーは、54億ドル(約8300億円)相当のビットコインを追加購入した。過去最大の規模で、大型購入は今月に入りこれで3度目。
米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、11月18日-24日に5万5500BTCを取得した。 これにより、マイクロストラテジーが保有するビットコインは約380億ドル相当となり、上場企業としては最大の保有額となった。
共同創業者のマイケル・セイラー会長は同社を「ビットコイン財務省」と称するなど、企業戦略に仮想通貨購入を取り入れている。マイクロストラテジーの株価は今年、500%以上の急騰を演じており、ほぼすべての主要株を上回るパフォーマンスを記録している。
マイクロストラテジーがビットコインを購入し始めた2020年は企業資金を購入に充てていたが、セイラー氏はその後、転換社債の起債と株式追加売り出しのプログラムを修正。最近の転換社債起債では、価値が転換価格を将来上回ることに賭ける貸し手がゼロ金利を受け入れた。同社は先月、420億ドルの資本調達計画を発表した。
ビットワイズ・アセット・マネジメントのアルファ戦略責任者、ジェフリー・パーク氏はセイラー氏について「企業財務の資本構造における金融裁定が実に巧みだ」と評価する。「同氏が作り出したのは実質ただで資金を借りられる仕組みだ」と述べた。
マイクロストラテジーは2020年から38万6700BTCを購入。平均すれば現在の保有価値の約60%で購入してきたことになる。しかし25日に発表したのは先週購入した分で、この時にビットコインは過去最高値付近にあった。従って購入価格は1トークン当たり約9万7862ドルと、今の価値とさほど変わらない。
このレバレッジ戦略に先週、懐疑の目を向けた専門家もいる。マイクロストラテジー株は21日に16%下げた。ビットコインが大きく下げれば、マイクロストラテジー株も同じ運命をたどるリスクがある。こうした現象は2022年に起きている。
TDカウエンのアナリスト、ランス・ビタンザ氏は「レバレッジをかければ上下両方の方向に動きが増幅する」と指摘。「ここで目新しいのは、マイクロストラテジーがビットコインにレバレッジをかけた最初の企業だということだ」と述べた。
参照:マイクロストラテジー、ビットコイン購入加速-過去最大54億ドル
ここで、上記にあるマイクロストラテジーの行動を整理してみよう。
1、2020年から企業資金でビットコインの購入を開始。
2、その後、転換社債の起債と株式追加売り出しによる資金でクジラ買いし、現在は約380億ドル相当を保有している。
3、最近の転換社債起債では、(ビットコイン価格にレバレッジをかけて連動する)マイクロストラテジーの株価が転換価格を将来上回ることに賭ける貸し手がゼロ金利を受け入れた。
4、先月、420億ドルの資本調達計画を発表した。
5、マイクロストラテジーの株価は今年、500%以上急騰。
これらのことは、マイクロストラテジーが事業会社の財テクで始めたビットコインへの投資が、同社が「ビットコイン財務省」と自称し、ビットコイン投資のための資金調達を行っているように、事実上のヘッジファンド化したことを示している。そして、資本調達計画の金額から推測するとビットコインをクジラ買いし続ける意向のようだ。
ビットコイン(BTC)のチャートをチェックすると、2020年9月頃までは約1万ドル前後だったが、10月から急騰、21年4月に約6万5000ドルにまで上昇、6月に3万ドル割れまで下落、11月に約6万9000ドルまで上昇、その後22年11月にかけて1万5000ドル台にまで下落した。
これが、上記の「ビットコインが大きく下げれば、マイクロストラテジー株も同じ運命をたどるリスクがある。こうした現象は2022年に起きている」の、「ビットコインが大きく下げれば」の部分だ。
その後のビットコインは、ETFが登場したことや、トランプ次期大統領が前のめりであることもあって、基本的に右肩上がりが続いている。2024年は1月に一時4万ドルを割れたが、11月に10万ドルの手前まで上げた。つまり、今年の安値で買っていれば1年足らずで約2.5倍となった。
一方、マイクロストラテジー(MSTR)の株価は1月の安値が45ドル台で、高値は11月21日に540ドル近辺と、12倍近くにもなった。レバレッジが効いているのだ。
私はしっかりとしたファンダメンタルズがないビットコインの急騰を金融市場におけるバブルの兆候として見ている。マイクロストラテジーの行為は典型的なバブルの象徴だ。バブルが崩壊すれば多くの人たちが苦しむが、マイクロストラテジーの破綻はほぼ不可避だろう。
とはいえ、同じくバブルの兆候だと見ている先日600万ドルで売れた「壁に貼り付けたバナナ」や、2022年頃ブームだったNFTなどに比べると、市場商品には少なくとも流動性がある。また、ビットコインにはETFや、マイクロストラテジー株のような上場商品の選択肢もある。ちなみに、同社はナスダック上場だ。
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