「儲け方」を考えるのがトレードです。
しかし、絵に描いたように全戦全勝とはいかない以上、柔道の受け身やスキーでの転び方と同様、「上手な負け方」を考えておく必要があります。
損切り撤退……単なる負けではなく、明るい未来に向けて、あえてポジションを変化させる行動、最終的な「勝利」のためのポジション調整──こう考えるのが、実践家の発想です。
「ミス」というものを、どう認識するか──これが今回のテーマです。
どんな分野でも、課題を見つけて改善していくのが、進むべき「道」です。
だから、直近の失敗、ミスをチェックします。
でも、ミスの原因を解明したら改善の具体策につなげるだけで、ミスそのものを見る行為を繰り返してはいけないといわれます。
「自分の課題」に目を向けているつもりが、「失敗している姿」を繰り返し自分自身に刷り込むことになるからです。
- ミスは起こる(人間だから、やっちゃうよね)
- でも、修正したい(目標を設定しようよ)
- 別の考え方をしてみようか(ラクなやり方はなに?)
- これが有効だと思う(前向きな仮説を立てた)
- 試してみる(よし、やってやるぞ!)
こんな流れが理想です。
楽しく、ラクに考え、わずかな変化を取り上げて自分を褒めるようにしてください。
最近は、テレビやインターネット上で、心理学の理論をもとにしたセルフマネジメントの知恵や、ワンポイント知識が紹介される機会も多いと思います。
以前からある言葉では「自己啓発」ですが、決してストイックなものではありません。
要するに、人間の心理をうまく利用して、自分自身の行動を望む方向にリードしよう、ということです。
セルフマネジメントのキーワードとして、「根拠のない自信」という言葉を聞いたことがありませんか?
「なんとなくできそうだ」「苦難があっても自分ならば乗り越えられる」といった、漠然とした自信、少し勝手な成功のイメージです。
手がける前から「ムリかも……」と感じていると、あっさり挫折してしまいます。逆に状況が不利でも、「できる」というイメージがあれば、前進する方法が見つけやすくなるのです。「つらい」と感じないどころか、楽しむ余裕が生まれるでしょう。
ここで、トレードの世界で使われる「自信」という言葉について、私が感じている疑問を紹介します。
「これ、自信があるんです」という言葉の意味は、なんでしょうか?
一般的な買い戦略ならば、「上昇するという予測が当たる確信がある」という意味ですね。
また、「目標株価〇〇円」という情報が追加されていたりします。
自分の努力が及ばない株価について、「上昇する自信がある」とか「目標」なんて、実におかしなことではありませんか。
例えば、ゴルフの松山選手を応援している人が、「私の目標は、松山選手が次のメジャーで優勝することです」って、ヘンでしょ?
株価について「目標〇〇円」というのは、日本語になっていないのです。
「予測」という言葉で表現するべきです。
それとも、違法な株価操縦でもしているのでしょうか……。
―11月18日のブログにつづく―