7月と8月の放送では、林投資研究所が30年以上つづけている低位株の手法「FAI投資法」を解説しました。
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飲みに出かけるのが好きな人に帰宅時間を聞いたら、「数日以内に帰る」と胸を張って答えました。
基準がわかりません……。
先号で「現物買いがキケン」と述べました。
利を伸ばすために「待つ」のも相場ですが、現物だから戦略なしの先送りが可能になる……これが落とし穴です。
今回は、その続き、要するに「手仕舞い論」ですが、現物買いの落とし穴で問題なのは「時間」です。
時間の管理が甘いと、問題が発生するのです。
・1割上がったけど5年かかった(現物買いの落とし穴)
・「もう少し待ってから」と思っていたら損が拡大した
・先延ばしして「今さら……」という感じになった
「帰宅時間」と同じです。
電車の運行などとちがい、カッキリとは決まっていません。
それでも、想定する時刻というものがあります。
大幅にズレたら、アウトなのです!
林投資研究所のFAI投資法は実践の本質に目を向けているので、常に「時間」のことを考えています。
マーケットでは、時に想像を超える変動をみせるので、多くの投資家が気にする「価格」について考えるのは難しい、むしろ「時間」を考えるべきです。
FAI投資法の「29項目のルール」でも、時間の経過に言及したものがたくさんあります。
チャート分析も、「4~5年」とか「過去4~5本」「陰線2本」というように「時間」(日柄)で考えるものがメイン。
売買における“時間切れ”は、24カ月と長いのですが、これは、人気の圏外にある地味な低位株が対象だからです。
現実では、もっと短い期間で運用するアレンジも有効でしょう。
デイトレードならば、「1日」あるいは「3日」といった限度があります。
それぞれの戦略を「時間」で考え、仕掛け、手仕舞い、値動きの読み……すべてで時間を意識すべきです。
「予測通り」なのか「見込み違い」なのかの判定、その判定に応じた適切な“次の一手”が見えてきます。
ガチガチのルールは、自分で決めたことなのに守りにくいのですが、前述したように「大幅にズレたらアウト」です。
飲んでいて、うっかり終電を逃したらタクシーで帰ります。
「もういいや」と帰るのをやめちゃうなんてダメでしょう!
多くの投資家が「様子を見よう」と先送りしたり、塩漬け株がいくつもあったりするのは、捜索願が出された行方不明者と同じ状態です。
──「手仕舞い論」は、次号につづく──