キケンなのは現物買い | 林知之



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メディアが「〇〇リスク」と警告を発する──。
記者が自信をもって書くということは、おそらく、完全に価格に織り込まれている状況です。
警戒すべきことは、見えないところにあります。

短期的な狙いで買ったのに動きが思わしくない・・・こんなとき、「現物だから待とう」という対応があります。

たしかに、現物だから期限がなく、意図的に待つことができますが、「戦略的に時間をかける」のか「単なる先送り」なのか、多くの場合は後者で、「負けを認めたくない」感情によるものです。

プレーヤーは自分、審判も自分、コーチも自分・・・不合理な行動がたくさんあるのがフツーのことなのです。

株価の変動は激しく、状況は刻一刻と変化します。
「いつ手仕舞いしてもいい」という自由が、危険性を回避する道として与えられています。

その自由を、自分の自由意思で消してしまうというのは、バランスを欠くことになるのです。

あなたが証券マンならば、迷っている顧客に対して「現物なので待っていましょう」と言いきり、現金が余っている別の顧客に時間を割いて営業成績を上げるのが正解です。

でも、あなたはプレーヤーです。
株価を動かしているマーケットの通念について、認めるのか疑うのかを考えましょう。

 

今回は、構造的な問題に目を向けたのですが、延長にあるのは「手仕舞い論」です。
次号以降も、このテーマでお送りします。

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