異端であり続けたい | 林知之


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情報に頼らず、自らの技術で結果を出すプロの売買「うねり取り」のバイブルと自負しています。

以下に、まえがきの一部を引用します。

自信をもって“異端”でありたい

 株価が動くたびに勝者と敗者が生まれるが、常に利益を上げるのは至難の業。だが、考え方や行動が少しズレているために、絵に描いたように負け続ける参加者がいる。
 誰にも明日の株価さえわからないのだから、予測そのものは当たったり外れたり……。だが、対処が悪いために、高いところを買い、ダメだと思いながら放置して安値で投げてしまい、少し上手に行動した参加者の利益を助けることになる。
 こんな残念な行動パターンの対岸には、株式市場との距離を適正に保った賢い参加者がいる。多くの人が日々の動きを気にして、日経平均の水準や世界情勢に漂う不安材料をチェックしながら迷走している。その対岸で、数少ない個別銘柄を対象に、独自の相場観とポジション操作で損益という“結果”をうまくコントロールする参加者たちだ。
 プロ相場師の4割が、うねり取りを実践しているといわれる。
 うねり取りは、いわば“概念”だから、正確にはうねり取りに分類できない手法でありながら、うねり取りの核となる考え方を盛り込んだ独自の手法をもつプロも含めたら、かなりの数ではないか。
 先行きを当てよう、有望な銘柄を見つけよう……「なにを買うか」に目が向くと、石を投げれば当たるような“銘柄情報”にたどり着く。勝つこともあるが、負けたときが大きい。
 そんなドタバタ劇から離れ、「どこで買うか」「どこで売るか」をまっすぐに考えるのがプロの思考だ。ここが固まったところではじめて、「それに適した銘柄はなんだ?」と考える。
 多数の投資家がハマっている“銘柄至上主義”を上手に利用するのが、最もウケる投資情報ビジネスだ。だから、プロの思考を懇切丁寧に説くことで、大多数の人を対象外にしてしまう。
 たとえそうでも、「予測情報の販売」に重点を置く業界のあり方に一石を投じたかった。今後も、こだわりをもった異端であり続けたい。

2017年7月
林知之

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