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中学生の時、担任の先生が私たち生徒に言いました。
「全員、平均点以上を取るように!」と。
「全員が平均点以上?」
「“以上”はその値を含むから、全員が同じ点数?」
先生の言いたいことは理解しつつも、笑って終わりになってしまいました。
その先生、数学教師でしたしね。
さて、日経平均が2万円乗せと話題になっています。
私自身、強気の見通しですし、資金が流入して株価が上がる明るい地合いを嫌がる理由はどこにもありません。下げを狙う“売り好き”の人だって、上がるほど落差が大きいという計算だけでなく、上げ相場の明るい雰囲気を感じて悪い気分ではないでしょう。
人間の自然な感情です。
でも、常日ごろから私は、多くの投資家が日経平均を気にする姿に否定的です。
先物などで日経平均の上げ下げを狙う場合は別として、個別銘柄の先行指標にもならず、特別な意味はありません。
以下、4月に発行した最新刊から引用します。
◇日経平均を見るな
投資関連の情報は、ひたすら日経平均を考察します。しかも、チャートのタテ方向のみ、日経平均の「水準」ばかりが論じられています。
さらには、絶対に結論が出ないにもかかわらず、「どうしたら先行きを当てられるか」という観点が満載……。
世界情勢が、日本のマーケットにも影響を与えるのは事実。でも、ひとつひとつを考えていたら、体がもちません。
それに、投資家の不安を“チクチクと突く”ようなメディアの姿勢に振り回されていたら、独立した状態で決断する“プレーヤー”としてバランスが悪いでしょう。
学校のテストで、英語と数学どちらも50点ならば「平均」も50点です。次のテストで英語が100点になった、しかし数学は0点だった。50点が100点に上がったのも事件ならば、50点が0点に落ちたのも事件ですが、「平均」は前回と同じ50点です。
「平均点は前回と同じ。特に変化なし」という結論を出せるでしょうか? 否! “個々の点数の変化”こそが問題なのです。
日経平均は東証一部に上場する約2,000銘柄のうち、たった225銘柄を対象とした単なる平均です。
上昇する銘柄が多ければ日経平均も上昇するという理解は間違っていませんが、テストの平均点の例と同じく、個々の銘柄のさまざまな値動きが見えることはありません。
まずは、「日経平均を見る」という、メディアに刷り込まれた視点から脱却すべきです。
売買の対象とする個別銘柄の動きをストレートに観察し、最も大切な「自分自身の出処進退」を考える適正な姿勢に、自然と移行するでしょう。
(『ブレない投資手法 曲げない投資哲学』のコラムより)
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目次などの詳しい情報はこちら(内容のチラ読みもできます)
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