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連載「トレード哲学」……4
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毎日、何かしら文章を書きながら「休みたいなぁ」などと思いつつも、言葉の面白さを考えていると本当に飽きません。
大和言葉の「花を愛でる」(めでる)──実に美しい表現だと思います。
最近は「チョーサイコー」なんて軽いノリで言葉を交わし、それはそれで軽快感があっていいのですが、「このうえなく」なんて使うと、とても上品ですよね。
日本語の面白さは、数々の言葉遊びにも見受けられます。
「さぁ、はった、はった!
はって悪いはオヤジの頭、はらなきゃ食えない提灯屋だ!」
(家長の頭をたたくのは言語道断。でも、提灯屋は“はる”のが仕事)
博打場の口上です。
大和言葉から“このうえなく”チョー庶民的な話題に移ってしまいました……。
博打だけでなく、相場でも「張る」という言葉を使います。
「あの人、張るよねぇ」とは、「大きなポジションを取る」という意味で、「マネできない」とか「危なっかしい」といったニュアンスを含みます。
このような表現を使うのは、さすがに古い業界人だけかもしれませんが、「順張り」「逆張り」などは、現役の相場用語です。
「プロは逆張り」などというのですが、この表現の通りに行動してケガをするケースが多いと感じます。どんどん下がる過程で買い下がり、買い値を安くする狙いとは裏腹に、単に“逆行するポジション”をつくってしまう失敗です。
逆張りとは、
「そろそろ下げ止まり」と判断し、
丁寧かつ計画的な分割売買を前提に
少し早めに買い始めるテクニック
です。
では「順張り」とは?
次の号で、詳しく説明します。