心のヨゴレが敗因? | 林知之


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新婚初夜をテーマにした笑い話があります。
ベッドで過ごしたあと男が、うっかりカネを払うと、女がおつりを渡したのだそうです……こんなジョークで笑えるって、心がヨゴレているから?

トレードについて、ある仮説を立てました。
科学的に検証してはいないのですが、完全に純粋な気持ちで株価変動を観察すれば、なかなかの精度で予測を当てることができるのではないかと思うのです。

価格変動の背景には、さまざまな要因が存在します。
企業の業績、経営戦略、業界の状況、経済全体の状態……等々。
しかし、特に説明のつかない自律的な上げ下げもあり、それを形成する要素は、生身の人間が感情も入れて売買した結果ですから、同じく生身の人間が冷静に観察すれば、ある程度は当てることができるだろう、という論理です。

誰だって、冷静かつ純粋に物事を観察する能力をそなえています。
ところが現実では、近い将来を当てると“カネになる”という意識があるので、少なからずヨゴレたオトナは往々にして判断を誤る、ということでしょう。

そこで、純粋無垢な子どもにチャートを見せればいいと思うわけです。

上がったり下がったり、生き物のような価格変動をピュアな心で見てもらえば、オトナよりも当たるのではないでしょうか。

しかし、この仮説そのものが相当にヨゴレています。
そんな邪心で純心な子どもを利用してはいけないと思いますし、予測を当てることがオトナのふところを潤わせると感じ取った瞬間、その子の心はヨゴレてしまい、それ以降は当たらなくなるでしょう。

では、オトナが行っているトレードの工夫とは何でしょうか。

ヨゴレのある心でカネを求めながらも、必死に純真さを表に出して判断しようと試みる、あるいは、瞬間的に純真になったときにルールを決め、それを守り続けようとすること、かもしれません。

こんなふうに定義されても、素直に受け入れる気など起きないでしょうが、部分的にでもトレードを考えるヒントになれば幸いです。


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