本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。
メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。
客として乗ったタクシーの運転手が老齢で、「運転が好きなんだなぁ」なんて思いながら会話していたら、「タクシーが好きでね。仕事中に死ねたら本望ですよ」って……聞きたくないセリフですよね。
車を走らせるとき、最も気をつけるのが事故です。
といって、モタモタ走っているようでは時間ばかりかかって役に立ちません。
周囲に迷惑、逆に危険な存在となります。
そもそも、走れば必ず何かしらのトラブルが起こり得るのです。
乗り物を動かす仕事はたくさんあります。バス、タクシー、電車、飛行機。
どれも安全第一ですが、雨風が強いとか雪が降っているだけで運休するわけにはいきません。まずは乗客の希望通り、目的地に移動することを考えて行動します。
トラブルがあれば、まずは危険回避ですが、乗客の安全が確保できれば終わりではなく、速やかに代替の手段を提供する義務があるのです。
トレードの見込み違いは、乗り物の事故や機材トラブルよりも圧倒的に確率が高く、5勝5敗を標準とする実践家が多いのが現実です。しかも、3勝7敗、あるいは2勝8敗になってしまう時期だって避けられません。
そこで、非常に慎重な実践者は、いわゆる“自分の出番”を示す条件がそろっても「やめておこうかな……」と手を出さないことがあります。
実はこれ、トレードにおいて「やってはいけない」ことのひとつなのです。
明らかに条件が悪いのなら、出動するべきではありません。
でも、「出動する」と決めた条件がそろったら、まずは出動です。
「なんとなく出動しなかった。結果的に今回は予想が外れた。やらなくてよかった」
これは誤りです。
バスや列車の運転士が、その場の気分だけで止まってしまうようなものです。
もしも「なんとなく」の背景に説明可能な状況があるのなら、それをルール化して次に臨むべきです。あいまいな事柄を理由に出動したりしなかったりでは、自分の行動をコントロールできていない状態、何の基準もない状態です。
とりあえず出動したあと、心配した通りに逆行してしまったら……上手に敗戦処理するしかありません。短期間で撤退するとか、ポジションの積み増しをせずに切ってしまうといった対応はOKです。というか、常にあるポジション操作の一環です。
個人投資家の特権である「休む」という行為は、これとは別のものです。
仕事が忙しいときにトレードが乱れることを嫌って休む、気持ちよく利食いしたあと興奮する心を静めるために休む、思わぬ損切りのあとムチャな行動を抑制するために休む──儲かりそうとか見込み違いになりそうとか、根拠のない思いつきの判断で決めるのではなく、何があっても休むわけです。
トレーダーにとって、条件がそろって出動した際のヤラレは本望なのです。
林投資研究所で40年以上続いている、プレーヤーのための定期刊行物。
★中源線建玉法
最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。
★林投資研究所
林投資研究所の公式Webサイト。
まずは資料請求(無料)してください。電話等での勧誘はいたしません。
研究部会報および中源線シグナル配信は、当局に届出の投資助言サービスです。契約にあたっては「契約締結前の書面」をよくお読みください。