12月9日放送のフォローアップ
林 知之 | 未分類


勝つための買いタイミング

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
日本株 反撃開始! 押し目を買いたい厳選9銘柄

買うときの「狙い」はなに?

あなたは、なんのために株を買いますか?
もちろん、「儲けるため」と答えるでしょう。

では、どうなったら儲かりますか?

「買い値よりも、売り値のほうが高い」というのが条件ですよね。
つまり、買ったあと株価が上がる、ということです。
当たり前のことですが……。

想定する売り値よりも安く買う必要がありますが、いくらで売れるかはわからないので、「安く買おう」とするのが売買のスタートです。
実は、この部分で多くの人が、うっかりミスを犯すのです。

売るのは、未来の話です。
でも、過去と現在を比べて「安くなった」と買いを検討するケースが、かなりあるでしょう。

「株価が上がったり下がったりを繰り返す」という前提なら、間違っていません。
それに、未来のデータはないので、過去と比較して安くなったことが理由でもよさそうです。

ただ、「安く買った」あとの可能性について、わるい状況を考えない傾向が必ず生まれるのです。
わるい状況とは、すなわち、「安く買ったけど上がらない」とか「安く買ったが、さらに下がった」という結果です。

実践家は、次のような言葉で行動をコントロールしようと試みます。

  • 安く買うことを競うゲームではない
  • 少しくらい高く買っても、買い値よりも高く売れればOK
  • ポジションの保有期間は短いほうがいい
  • 買い値が安いほうが有利だが、まずは「上げトレンドで買いポジションを持つ」ことが優先

多くの個人投資家が最初に考える「安く買う」は、いわば“二の次”の条件なのです。

逆張りの大誤解

前項で述べたような、イメージのちがいから、「誤った逆張り論」が広く認知されています。
「下がっている段階で買うんだ」というものです。

下がっている段階で買い出動し、しかも「安く買う」って、よく考えれば実現が困難なはずです。
上がるときも下がるときも極端に動く、理屈に合わないほど“いきすぎる”のが株価変動です。
だから、最安値のタイミングを当てようと「落ちてくるナイフをつかむべきか否か」なんて議論をするのは、現実的とはいえない発想なのです。

買うには、少なくとも「下げ止まる」ことが条件です。
「下げ止まった」という、自分なりの確信が必要ということです。

でも、上がるまでに時間を要する状況なら、まだ買いのタイミングとは言いきれません。
資金効率やリスクを考えたら、前述したように「保有期間が短い」ことを優先したいのです。

理想の買い場は、「上げトレンドの直前」です。
そんなタイミングを目指しながら、「できれば安く買いたい」という難しい望みを実現しようという各種のテクニックがあります。

下げ止まったと感じて少し買い(試し玉)、そのポジションを基準に「買いが正解かどうか」をさぐります。同時に、買いという判断が正解との前提で、「安く買いたいけど時間がかかるのはイヤだ」と考えながら、分割で慎重に買い進みます。

頑張ってリスクを取りながら先回りして「安い買い値」を実現しながらも、タイミングが早すぎてグズグズになるのを嫌い、ポジション操作と資金管理にエネルギーを費やすのです。

これが、まっとうな逆張りです。なかなか苦労を伴う作業です。

買いは遅かれ

さて、どんなに深く相場を理解していようが、どんなに経験が豊富であろうが、生身の人間として誤った方向に傾く傾向は消えません。

下がってきた時点で、早く買いたいと思ってしまうのです。

「安値圏でモタモタする期間を避けることができれば、高く買ってもいい」と考えながらも、「最安値を拾いたい」とか「逃してしまったらイヤだなぁ」といったイメージは残ります。

だから、「買いは遅かれ」という格言があるのです。

みんながやってしまう、ベテランでもやってしまいがち、だから格言が生まれ、その格言が伝えられてきたのです。

単に「安い買い値」を意識した買い方でも、「あっ、待っていれば安く買えた」なんてことが多々あると思います。強く意識して、買うタイミングを遅らせるのが、ひとつの重要なテクニックなのです。

今回の放送で紹介した元気のいい銘柄を手がけるなら、「どこで決断するか」という感じです。でも、同時に紹介した出遅れ的な銘柄なら、「慌てずに待つ」姿勢が求められます。

売買ツールの価値

今回も、相場の深い部分に踏み込みました。
単純な基本のようで、それなりに深いと思います。
つまり、なかなかに複雑で、ささいなことでも多くの観点に発展していく余地があるのです。

だから、一概に善し悪しを語ることが難しいのです。
番組で紹介している「中源線建玉法」も、私は素晴らしいと考えているツールですが、長所の裏には当然の欠点があります。その欠点がすごく気になる人は、「好みではない」という結論を出さざるを得ないでしょう。

ただ、「ここがスゴいんだ」という中源線の価値は、今回述べた王道、適正な買いタイミングを見いだそうとしている点です。

中源線は、株価がいくら下がっても「買い」とは判断しません。
「下げ止まり」+「上がる気配」を検知して、はじめて「買い転換」が判断されます。

「買いは遅かれ」が、わかりやすい数式として仕上がっているのです。

前述したように、最終的には「個人の好み」です。
でも、こうした実践的なツールに触れるだけでも、売買スタイルを見直す貴重な機会が生まれるはずです。

というわけで、いちど「中源線研究会」に無料登録して、日々のデータを眺めてみてはいかがでしょうか。

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